三十一話 ページ34
─────────その夜。
夜ご飯を食べ終え、まったりする人が多いこの時間。
私達も、丁度そうしていた。
私は、兄ちゃんに伝えなければならない事がある。
だけど、兄ちゃんはどんな顔をするだろうか。
流石の兄ちゃんも、受け入れてはくれないかもしれない。
「A? 如何した、顔色悪ィぞ。」
『………………あのね、兄ちゃん。』
────────私、ポートマフィアに入る。
兄ちゃんの蒼色の瞳が、大きく見開かれた。
ワインを煽っていたグラスが兄ちゃんの手からすり抜け、床に落ちて割れる。
「お前ッ…………!」
思わず兄ちゃんはソファから立ち上がった。
そして、私の肩を掴む。
「何でだよッ! 何で、急に………」
『私ね、あの事件の事覚えてる。』
「…………ッ」
『でも、兄ちゃんに心配かけたくなかった。』
私は、兄ちゃんの瞳を真っ直ぐ見つめる。
兄ちゃんはぐっと言葉に詰まったような顔を見せた。
『私、人殺しちゃったし。開き直って、犯罪者として生きるしか無いのかなって。』
「ンな訳ねェだろ!? 誰に何吹き込まれた!」
『違うの。私が一人で勝手に抱え込んで、勝手に悩んで、勝手に決めた事。』
そう。私が勝手に。
自分勝手も甚だしい。
その背中を、林太郎さんが押してくれただけ。
何も云わなくなった兄ちゃんに、私は精一杯の笑顔を見せた。
『頑張る、から。色々教えてね?』
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桃茶(プロフ) - 詞音さん» ありがとうございます!夜中の3時…!?ちゃんと睡眠も取ってくださいね!w (2018年4月9日 7時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 面白かったです!ついつい夜中の3時後まで読んでしまいましたw 他のも見ときます! お疲れ様でした。(´∀`) (2018年4月9日 3時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
桃茶(プロフ) - 御免なさい、三十二話とあとがきが何故か消されていて……形的にはこれで終わりです!閲覧ありがとうございました! (2018年4月3日 13時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
悠爽 - 終わるんですか!?とても良い作品だったのに!でも作者さんお疲れ様でした。とても素敵な作品で面白かったです!!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: e139e0903a (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - え・・・終わっちゃうの!?・・・・・おもしろかったです!! (2018年4月3日 12時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
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