十二話 ページ14
『ん………もうお昼か。』
机に突っ伏して寝ていたAは、目を覚ました。
んーっ、と体を反らすと、ゴキゴキと背中が鳴る。
硬い机で寝ていたらそりゃあそうなる。
眠気覚ましに顔を洗おうと、Aは洗面所に向かった。
鏡に映った自分の顔を見て、Aは驚愕した。
(酷い顔………疲れてんのかな。)
軈て自分の目元が赤く腫れている事に気付いたAは、あぁ、そうかと納得した。
(私、泣き疲れて眠ってたんだ。)
子供みたい、とAは苦笑する。
勿論、今朝の事で泣いていたのだ。
中也があからさまに傷ついた顔で家を出て行くのを見たAは、ドスドスと足を踏み鳴らしてリビングに向かった。
其の儘椅子にドスンと座った途端、Aの目からは涙が溢れてきた。
楽しみにしていたケーキを食べられなかった悔しさ、探偵社の皆への申し訳なさ。Aの心の中に溢れ出てきた感情は、それだけでは無い。
────私、兄ちゃんに酷い事言っちゃった。
どんなにしつこく構われようと、兄を嫌いになった事は無かった。
妹である自分の事を一番に考え行動してくれる兄の事が、Aは大好きだったのだ。
脳裏に浮かぶのは、何時も優しかった中也の笑顔。
心配そうな表情も、悪戯っぽく笑う表情も、全部大好きなのだ。
だから、あんな風に傷ついた顔は、見たくなかった。
しかも、傷つけた相手が自分である事が、何より苦痛だった。
──────御免なさい。
兄ちゃんは優しいから、きっと許してくれる。
あとは、私がその一言を云えるかどうか。
頭の中で何度もシュミレーションを繰り返しながら、昼食を買う為にAはコンビニへ向かった。
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桃茶(プロフ) - 詞音さん» ありがとうございます!夜中の3時…!?ちゃんと睡眠も取ってくださいね!w (2018年4月9日 7時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 面白かったです!ついつい夜中の3時後まで読んでしまいましたw 他のも見ときます! お疲れ様でした。(´∀`) (2018年4月9日 3時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
桃茶(プロフ) - 御免なさい、三十二話とあとがきが何故か消されていて……形的にはこれで終わりです!閲覧ありがとうございました! (2018年4月3日 13時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
悠爽 - 終わるんですか!?とても良い作品だったのに!でも作者さんお疲れ様でした。とても素敵な作品で面白かったです!!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: e139e0903a (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - え・・・終わっちゃうの!?・・・・・おもしろかったです!! (2018年4月3日 12時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
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