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十話 ページ12

言葉通り、兄ちゃんはその日早く帰ってきた。




『お帰り。鍋の準備出来てるから、手洗ってきて。』

「おう。コートと帽子宜しくな。」

『はいはい。』



兄ちゃんが手を洗っている間に、私は二人分のお皿と箸を用意する。
台所の電気を消した所で兄ちゃんもやってきた為、二人で椅子に座る。
「頂きます」という声は、綺麗に重なった。




『あ、兄ちゃん肉ばっかり。』

「………バレたか。」

『野菜も食べて!』



そう云い、白菜を兄ちゃんのお皿にポイポイと放り投げる。
それを全てキャッチした兄ちゃんは、野菜をポン酢によーく染み込ませて、口に入れた。



暫くして、私は席から立ち上がる。
持ってきたのは日本酒。



「ワインじゃねェのか。」

『お酌するなら、ワインより日本酒でしょ。』

「一理あるな。」



兄ちゃんが持ったお猪口に、私は日本酒を傾ける。




「お酌すンなら着物着ろ、着物。」

『無いもん。』

「紅葉の姐さん持ってンだろ。」

『もう酔ってんの? 今から姐さんに借りに行くつもり?』

「冗談だよ。」



あほくさ、と呟く私に兄ちゃんは笑って、お猪口を一気に傾けた。




「っくー! ワインも善いけど、日本酒も美味ェな!」

『どうせ酒だったらなんでも良いんでしょ、大人は。』

「酒の違いも分からねェ内は、手前もまだまだお子ちゃまだってこった。」




兄ちゃんはまた頭を撫でてくる。
今日はよく頭を撫でられるな。

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作品ジャンル:アニメ
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桃茶(プロフ) - 詞音さん» ありがとうございます!夜中の3時…!?ちゃんと睡眠も取ってくださいね!w (2018年4月9日 7時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 面白かったです!ついつい夜中の3時後まで読んでしまいましたw 他のも見ときます! お疲れ様でした。(´∀`) (2018年4月9日 3時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
桃茶(プロフ) - 御免なさい、三十二話とあとがきが何故か消されていて……形的にはこれで終わりです!閲覧ありがとうございました! (2018年4月3日 13時) (レス) id: d281eb019e (このIDを非表示/違反報告)
悠爽 - 終わるんですか!?とても良い作品だったのに!でも作者さんお疲れ様でした。とても素敵な作品で面白かったです!!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: e139e0903a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - え・・・終わっちゃうの!?・・・・・おもしろかったです!! (2018年4月3日 12時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桃茶 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月26日 0時

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