捌 発見 ページ9
「今更何ですけど…タオル良かったら使ってください。もちろん洗ってから使ってません!
あぁ、髪が洪水状態ですよ……」
髪から少し、ポタポタと水が滴り落ちている。
頭にタオルを置いて、ごしごしする……って…あ…
「ごめんなさい!!私ったら!嫌でしたよね…」
沖田さんは下を向いたままで、顔を上げてくれない。そうだよね…知らない人にごしごしされたら嫌だよね…
「……洗って返す」
「……は、はい…」
何となく気まずい。
お節介ってよく言われるんだよなぁ
「あの、万事屋さんの場所知ってますか?そこに多分ある気がするんです…」
「あぁ、案内しまさァ」
先に歩き出した沖田さん。私はその背中を追う。
さっき近くで見たんだ彼の横顔に近くで見ないと分からないくらい薄くはなっているが刀傷が出来ているのを。きっと、もっとたくさん傷があるだろう。
でも、それが戦った証。彼にとっては当たり前のこと何だろうな…
足の速い沖田さんは、少し振り返ってスピードを合わせてくれる。本当にドSなの?それでもドSなのと思わされるくらいに。
でも…本当は…少し、並んで歩いてみたい…だなんて乙女みたいなこと考えてたりする。
「んっ?あれは!鞄を背負った新八君!」
公園を出て少し歩いた辺りで見つけた
「その言い方やめてくださいよ!!ネギ背負ったカモみたいな!ていうか、通常に戻るんですか!?
どうせメガネだけの男ですよ!」
「沖田さん!ありました!!」
良かった…
「どこに…あったの?」
「万事屋ですよ。寄ってから帰ろうと思って。
そしたら、落ちてたんですよ。何か盗まれてませんか?あの二人ならやり兼ねそうですから」
あはは…と苦笑いする新八君。ボケばっかりで大変だなぁ…バックの中を探って、ポーチを取り出す。大丈夫。あった!お母さんの……形見。
「ありがとう。本当に……ありがとう…」
見つけた喜びからか、また涙が溢れてくる。
「えっ?!僕のせいで泣いてるんですか!?
ごめんなさい春村さん!!」
「ううん違うの…何だか安心して…
あっ…あと、新八君……………」
ばいばいと新八君に言って手を振った。けど、何故かこっちを見てくれなかった。
「沖田さん!ありがとうございました…雨の中、本当にすみません…」
「それで、新八君になんて言ったんでィ。真っ赤になってたじゃねェか」
「えっ風邪でしょうか…さっきは、コンタクトの方がいいんじゃないって言っただけですよ」
63人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千の歌を歌う人(プロフ) - コロさん» 有難きお言葉です!!すごく嬉しいです!頑張ります!! (2019年7月30日 0時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
コロ - おもしろいです!!更新忙しいかもしれないけど頑張って下さいね!! (2019年7月29日 22時) (レス) id: 21d6130453 (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - サラダ油さん» ぱっちゃんはですね、主人公が付けたあだ名です!主人公は色んなあだ名を人に付けるもので…見てくれて、物凄く嬉しい限りです!!頑張ります! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - 新八は「ぱっちゃん」じゃなくて「ぱっつぁん」と呼ばれてますよ。面白いのでこれからも頑張って下さい! (2019年7月29日 18時) (レス) id: 3eb4c4dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くれの | 作成日時:2019年7月24日 22時