. 燈火 2 (ページ1)

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そこからは怒涛の日々が続いた

架橋に入ったコンサートの打ち合わせ、アルバムの発売と同時に番宣
中断せざる得なかったダンスレッスン、それに合わせて、新曲の振り付けも続いた

検診にも忘れず行って、月経が来たと報告すると、先生に「ゆっくり焦らずに」と微笑みながら言われた
その言葉で、心の中で余裕ができず、焦っていた気持ちが軽くなって…
俺達は俺達なりのペースでと考えると、自然と肩の荷が降りた感覚がした

そして、いよいよ始まるツアー
会場では大きな声で俺達の名を叫ぶ声が聞こえる
その声にも負けないくらいの声で、俺達も気合を入れた円陣をした

「頑張ろうぜ」

「無理は禁物…ね？」

「わかってるよ」

今回のツアーは少し攻めたセットリスト
始めから飛ばす訳ではなく、大人なゆったりとしたダンスナンバーを披露する
そこからどんどん盛り上がる曲へと誘って、中盤で盛りあがって、MCで休憩、また最後にだんだんと最高潮へと向かい、ダブルアンコール…

その中で、光との絡みポイントも勿論あって
初日はどうしようかな…と一人で勝手に考えていた

次の曲は、メンバーの絡みがポイントの曲で、メインステージからバックステージへ移動しなければいけない曲
そのサビ前に俺達2人の歌割りがあって、そこがやぶひかタイムになっていた

光が向こうから近付いてきて、ハグしようかな…と考えていたら、そのまま彼から俺の方に走ってきて、唇にキス
そのまま平然と歌う光と、呆気にとられる俺
彼にそのまま頭を叩かれ引っ張られる形でバックステージに移動した

皆が俺達の方を見ながらニヤニヤしていたのも知っているし、
彼が俺を引っ張っているとき、その後ろ姿から見える彼の耳が真っ赤なのも俺は見逃さなかった

だが、その彼の行動のお陰で会場のボルテージは一気に上がり、ライブは凄く盛り上がったものとなった

ライブ終了後、慌てた様子で彼は伊野尾と一緒にラジオの生放送へ向かい、俺達はホテルで夕食を楽しんだ
多少酔いが回ったせいか、そのラジオの投稿バナーに俺の名前でメールを送り、読まれたときは俺達もSNSも沸いたりして……

彼が生放送から帰ったときには恥ずかしかったという理由でポコスカ怒られたが、その怒りも腹の虫が収まるに従ってそちらも収まっていった
食べてすぐ、目を擦りながらウトウトとする様子を見て、俺達だけ先に部屋に戻った

「光…、、寝る？」

「…、やだ」

「何で？」

「薮……、シよっか」

「……は？」