第44話 元幹部の所業 ページ2
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――ツーツーツー。芥川は繋がらなくなった携帯を片手に、幾ら強くとも駒は駒か。そう云って乱暴に足を組むと近くの椅子に腰掛けた。捕縛された状態の太宰と向かい合う形になる。
太宰は芥川の不機嫌極まりない様子から、既にあちらの状況が目に見えていた。やはり予想していた通りの結果で終わったのだろう。敦が勝利したのだ。屈強で凶悪な闇組織、ポートマフィアに。
「貴女はどうだ？ 駒か、或いは――」
駒…。それは太宰にとって、最も不似合いな言葉だ。
元はと云えば必然的に操る側の人間であったようなものなのだから、彼女を駒と呼んで良い者は誰1人として存在しない。同時に、この世界には疎か頭の切れる者が数多く存在するが、太宰の頭脳の予測をこえる者は未だかつて現れてはいない。そして今回も、順調にことが進んでいく。
――太宰の思惑通りに。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
油断していたわけじゃない、と云えば嘘になるのだろうか。4年もの間行方を晦ましていた自分は、当然ながら、マフィアでは裏切り者の分類に入る。
ならば、残された時間はこの場所で死刑を待つのみ――と云いたいところだが、生憎そんな余裕はなかった。
「......ああ、あなた、いたの」
黒刃が太宰の首元を捕らえる。まるでこちらを見向きもしない太宰に、芥川が自身の存在を思い知らせるように。彼の冷たく鋭い目付きが太宰を見詰める。不意に視線が合えば、首元にあった黒刃はいつの間にか姿を消していた。
「此処に繋がれた君が如何なる末路を辿るか、知らぬ貴女ではない筈だが」
すると正真正銘、今度は芥川を見ながら太宰が云った。
「懐かしいわねぇ、あなたが新人だった頃を思い出すわ」
「貴女の罪は重い。突然の任務放棄、そして失踪。剰え今度は敵としてマフィアに楯突く」
とても元幹部の所業とは思えぬ。そう口にした芥川に向って、神経を逆撫でするようにAが云った。
「そしてあなたの元上司の所業とは？」
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美穂 - 続き気になります。更新頑張ってください！(^^)d (2020年5月13日 1時) (
レス) id: f7b3d5ed55 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 文ストだぁぁぁぁ！ (2020年4月9日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
水姫 - 凄い面白いです ！中也が好きなので楽しみですーーー！！ハマりました (2019年9月16日 22時) (レス) id: c8e9b80948 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - ふぅぁぁぁああぁあ！！！！好きだああああああ！何これ最高！！これは芥川さんオチなんですか！？！？？？？！！！！！ (2019年1月12日 0時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月24日 2時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パティー | 作成日時：2016年7月22日 12時
