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13 幸せ者 ページ13

「どのようなメイクをお望みですか?」

店員さんが優しく声をかけてくる。

「あの、私メイクとか全然わからなくて・・・」

「そうなんですね!じゃあ、どこへ行くためにメイクを考えているのかなど、教えて頂くことはできますか?」

Aが大まかにイベントのことを伝えると、店員さんは微笑んだ。

「なるほど、わかりました!実は私も”小説展示館”を利用しているんです。作者さんなんですね、どのような作品をお作りになっているんですか?」

まさかこの人もユーザーだったなんて。

Aは改めて、”小説展示館”の偉大さを感じた。

「最初に書いたのは友情系の物語ですね。ありがたいことに多くの人が私の作品を気に入ってくださったので、それからは恋愛ものだったりミステリーなんかにも挑戦しているところです」

Aのその言葉に、店員さんは目を見張って驚いた。

「その作者さんのこと、知ってるかもしれません・・・違ったらほんとに申し訳ないんですが、あなたはAさんですか?」

「えっ!?」

まさかここにも自分の作品を知っている方がいたなんてとAは感激しつつ答えた。

「は、はいそうです、Aです・・・」

「わぁ!」

店員は目を輝かせた。

「嬉しいです!私Aさんの作品が大好きなんですよ」

「え・・・そうなんですか・・・嬉しいです」

「ってことは、次のイベントにも参加するんですよね?」

「あ、はい」

「じゃあ、メイクは任せてください!」

「いいんですか!?」

思ってもみなかった申し出に、Aは感動して声をあげた。

「勿論ですよ!普段Aさんの作品で凄く楽しませて貰ってるんだから、そのお礼ってとこです」

「ありがとうございます・・・!」

「いえいえ!じゃあ始めていきますね」

店員は、何やら用意をし始めた。

「どんな感じがいいとかありますか?」

「いえ・・・ほんとにわからなくて。お任せってできますか?」

「いいですよ!」

「申し訳ないです、ありがとうございます」




私は幸せ者だ。

私が作った作品を、好きと言ってくれる人がいる。

こうして、親切にしてくれる人がいる。

これからもずっと、このままでいたい。

そう思ってしまうのは、我儘ですか?



Aは小さく微笑みながら思うのだった。

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リアナ-璃亜那-(プロフ) - レミードールさん» ありがとうございます!違和感のある文章等ありましたら遠慮なく言ってくださいね! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 6afe7efa1d (このIDを非表示/違反報告)
レミードール - とっっっってもおもしろいです! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 2c7b3635e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リアナ-璃亜那- | 作成日時:2021年7月24日 12時

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