12 服装とメイク ページ12
「あ・・・これかわいい」
Aが手にしたのは、裾のほうが少し広がっているジーンズ。
本来Aは細身のジーンズが好きだったのだが、イベントへ行くならば少しガーリーさも残したほうがいいと感じたのだ。
トップスは、白のゆったりした袖が特徴のものを選ぶ。
バッグなどは既に持っているもので間に合わせることにした。
かなり値段はお高めだったが、用途がなくずっと貯めていたお金で、かなり余裕をもって買うことができた。
(よし、これで服は揃った。あとは・・・軽くメイクもしたほうがいいのかな?)
いくら今までおしゃれとは無縁だったとはいえ、Aも立派な高校生。
ナチュラルメイクはしておいたほうがいいだろう。
しかしAはメイクグッズを触ったことすらなく、途方に暮れていた。
(なんとか頑張るしかないか・・・)
自嘲気味な笑みを浮かべ、Aはその場を立ち去った。
次にAがやってきたのはメイクグッズ売り場。
専門の人に聞けば、多少なりとも分かるだろうと予想したのだ。
「すみません・・・」
近くにいた店の店員らしき人に声をかけてみる。
「いらっしゃいませ!どうされましたか?」
快く答えてくれたのは、ふんわりとウェーブががった栗色の髪を持つ、綺麗な女性。
「今度イベントに行くんですけどメイク、したことなくて・・・教えて頂きたいのですが・・・」
面と向かって誰かと話したのはいつぶりだろうか。
今まで何を言っても拒絶されていただけに、自然と鼓動が早くなってくる。
ところが、
「勿論です!ではこちらへどうぞ」
と笑顔で自分を受け入れられたので、Aは拍子抜けしつつ女性について行った。
この人とは仲良くなれそうだ。
Aの脳内に、その言葉が浮かんだ。
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リアナ-璃亜那-(プロフ) - レミードールさん» ありがとうございます!違和感のある文章等ありましたら遠慮なく言ってくださいね! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 6afe7efa1d (このIDを非表示/違反報告)
レミードール - とっっっってもおもしろいです! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 2c7b3635e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リアナ-璃亜那- | 作成日時:2021年7月24日 12時