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指貫 ページ9

〚ASide〛


私が鬼になってから、どれほど時間が経っただろうか。


私はもちろん、千花も気づけば血鬼術を使うようになっていた。


千花らしい華やかな攻撃は、それでも相当な威力を持ち合わせていた。


かつては無惨様にお許しを頂いて交流していた私達が、堕姫さんや妓夫太郎さんのように共闘するようになるとは、きっと誰も想像していなかっただろう。


いや、それ以前に、両親に優遇されていた千花にいい気持ちは抱いていなかった私が千花を何よりも大事にするなんて、前は考えられなかった。


私が黒死牟さんと知り合ってから、全てが大きく動いた気がする。


それは、少なくとも今は私にとっていい変化だった。


千花「姉ちゃん」


人間時代はあんなに鬱陶しかった、私を親しげに呼ぶ声も、今では大好きだ。


一体何が私にそう思わせるかはわからないが、きっと両親の有無が大きく関係しているのは確かである。


A『どうしたの』


千花に声をかけられたとき、私は自分の血肉から作った指貫(ゆびぬき)の手入れをしていた。


千花の指にも、同じものがついている。


これは、片方でも壊せば二人共死ぬだとか、そんな仕掛けがある代物ではない。血鬼術のためのものだが、本当のことを言うと指貫がなくてもそれを操ることはできた。


しかし、それでもわざわざつけているのは指貫がお互いの存在を肌で感じるための、いわば絆の象徴のようなものだからだ。


指貫から顔を上げずに返事をすると、千花の隣で誰かが動くのが目の端に映った。


誰か連れてきたのだろうか、とこのときやっと顔を上げる。


目の前で、見慣れた羽織が風にはためいていた。


A『黒死牟さん!?』


私は驚いて声をあげた。


彼は気配をほとんど感じない。


生きとし生けるものはすべて気配というものがあるはずだが、彼の場合それを極限まで消しているのだろう。


このために、黒死牟さんのことに気づく前に殺られる者も大勢いるはずだ。


黒死牟「・・・驚かせてしまったなら・・・謝る・・・」


A『いえ、大丈夫ですよ。こちらこそごめんなさい』


謝りながら、指貫をはめなおして立ち上がる。


そういえば、彼とは長らく会っていなかった。背の高い彼を見上げる、この感覚がどこか懐かしかった。


A『お久しぶりですね、黒死牟さん』


私が笑顔で言うと、黒死牟さんがかすかに頬を緩めるのがわかった。









〚遅くなってすみません!〛

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緋月 - たまきさん» うまかった!(^^) (2023年2月21日 13時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» あねwwならよかった (2023年2月21日 12時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» まぁ、2つ食べれたからよかったんだけどねw (2023年2月21日 8時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 緋月さん» 忘れるな!?当日に忘れるな!!w (2023年2月21日 7時) (レス) id: 10bfc6b38c (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - たまきさん» ありがとう!🐜ケーキは今朝食べた。昨日は忘れてたらしい (2023年2月20日 15時) (レス) id: eec4e6d19c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまき | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月31日 18時

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