8 ページ8
はあ、私はと息をついた。
まったく、どうして私がこんなことに巻き込まれたのだろう。
「…わかりました」
渋々答えると、その場にいる誰もが安心した表情になった。とはいえ、無表情な少年の顔に変化はほとんど見られないが。
「本当！？」
「正直言って、乗り気じゃありません。正義感が強い人間でもないから、この世界を救いたいなんて悪いけど思えない。私が必要な理由だって、よく分からないんですから」
でも、と私は言葉を続ける。
「皆の顔を見ていたら、協力せざるを得ないなって。そう思ったんです」
「あ、ありがとう…！」
「言っておくけど」
嬉しそうに微笑む少女の言葉に被せるようにして、私は言った。
「まだ皆さんのことを信用したわけじゃないですよ。私は一切戦えないんだから、守ってもらわなくちゃいけないし。それに、どうしても無理だと思ったら抜けさせてもらいます」
「無責任じゃねえかそれ！」
「やめなさい」
淡々と述べる私に再び食って掛かる少年を、女性が諌めてくれた。
「それでもいいわ、ありがとう」
微笑んだ彼女は、本当に安心したように見えた。
きっとこの中で一番頼りになるのは女性だろう。しばらくは彼女の近くにいようと、ふと思った。
「自己紹介がまだだったわよね。私は
先程の笑顔のまま、女性が自己紹介をしてくれた。
ほらあなた達も、と他の人達を促してくれる。
「あたし
次に名乗ったのは最年少らしき少女。屈託のない笑顔が特徴的で、無邪気そうな子だ。
「俺は
出会ってから言い合ってばかりの少年はそう言ったあと、薄ら笑いを浮かべて言い放った。
「魔法剣士って凄いの知らねーだろ？あんまり俺に逆らわないほうがいいですよー」
「…さっきから何なのあんたは」
こいつは煽ることしかできないのだろうか？
何か言ってやりたかったが、もう一人の無口な少年の自己紹介がまだだ。
私はぐっと自分を抑えた。
「…
暗殺者…如何にも彼らしい役職だと、頭のどこかでぼんやりと思った。
「知ってるかもしれないけど、私はAA。よろしく」
私の新しい日々は、こうして突如始まったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たまき - やほ。本人です。ネットワーク障害でpc使えなくなったので今日は来れないごめん。これはおじいちゃんのスマホw (2023年1月29日 8時) (
レス) id: 552d662989 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます！こちらの作品でコラボさせていただいているキル坊と申します！お褒めの言葉とても嬉しいです、更新頑張れます！ありがとうございます！ (2023年1月27日 18時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます！私のアイコンはpicrewの「少年少女好き？」様で作らせていただきました。 (2023年1月27日 18時) (レス) id: ad7268cde5 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - 更新頑張ってください、あと、気になったのですが、たまきさんのプロフィールの画像ってどこで作られたものですか？ (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - この作品大好きです！ (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
