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白石A。
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彼女は廊下の端でヒデと少し話し込んで、まるで花が綻んだような微笑みを浮かべる。
それからヒデは自分の教室に入っていって、そんな様子を眺めていた俺とパチリと目が合う。
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あ、やべ。目合った。どうしよ。あ、どうしよ。
真顔で心の中は緊急会議勃発。
話しかけた方、いいよな。これ無視したらおかしいよな。そうだよな、自分。な？
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…ってうじうじ考えてると。
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「翔ちゃん。今日、放課後定例会議だって」
翔「お？あ、そっか。わかった」
「たぶん、文化祭のことだよ。早く終わるといいね」
翔「あ…、できるだけスムーズに進めよう」
「うん。じゃ、うちのクラス地学で移動教室だから。また放課後ね」
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ニッコリ。その表現がぴったりの笑顔で、なんのドギマギもせずに俺の横を通っていく彼女。
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……今日も、先に話しかけられてしまった。なんつー不覚。
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ヒデ「み〜て〜た〜ぞ〜」
翔「びっ…くりした、んだヒデ」
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周りにバレない程度にずーん、と肩を落としながら教室に入れば、ドアのすぐ近くにある掃除道具入れのロッカーの影から
ひょっこり、とまるで今流行りの芸人のような登場の仕方のヒデ。
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ヒデ「いいよなぁ、お前は。なんだっけ？白石と家が隣だっけ？」
翔「まあ」
ヒデ「昔から一緒なんだろ？保育園、小中、そして高校。しかもお互い顔が良くて？生徒会長と副会長！」
翔「……」
ヒデ「っかぁー！マンガかよ！びっくりするね、俺の近くでそんな奴らが本当に実在するとは」
翔「…いや」
ヒデ「白石の着替え姿も見放題じゃんか！」
翔「っばっ！？そんなことしねぇよ！？」
ヒデ「えっ？！」
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しまった。
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翔「……ゴホッ。…そんなこと考えてるんなら政経の小テストに備えろよ」
ヒデ「うげ！忘れてた政経」
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やっべえ！ってバタバタと自分の机に向かうヒデの後ろ姿を見てホッと胸をなでおろす。
あぶね、つい出てしまった。
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○「櫻井く〜ん、次の政経の小テストわからないんだけど教えてもらってもいーい？」
翔「丸山さん。うん、いいよ。どこ？」
＊「あー！ユキだけずるいー」
○「早いもん勝ちですぅ」
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俺の本性が。
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