第一夜 『眠る姫君に、僕は。』 ページ1
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物心ついた時から、隣にいた。
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『本当に翔ちゃんとAちゃんは仲良いわねぇ』
『二人とも女の子みたいで可愛いわねぇ』
『翔ちゃん、おめめくりくりで可愛いものねぇ。すぐに泣いちゃうし』
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*『やーい！おとこのくせに泣き虫しょー！』
翔『うっ…、そんなことないもん！』
*『もんだってぇー！おんなみてぇー！』
翔『う、うわ〜〜〜〜〜ん』
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『ちょっと！』
*『うわぁっ、でた！かいじゅーめ！』
『しょーちゃんいじめたらだめ！』
*『あっかんべーだ！』
『ふん！』
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『しょーちゃんだいじょーぶ？』
翔『うっ、Aちゃ〜〜〜ん』
『あんなやつ、こてんぱんにしてやればいいんだよう』
翔『で、できないよ〜〜〜〜』
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今でも、あの抱きしめてくれた温もりを思い出す。
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*「櫻井先輩！好きです…！」
翔「えっと…ごめん、ね？」
*「そんな…、ずっと憧れてました。お試しとかでいいんで付き合ってもらえませんか！？」
翔「ごめん、俺、そんな軽々しく女の子と付き合えないよ」
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容姿端麗
成績優秀
運動神経は…抜群といえば抜群(ただし一部除く)
生徒会長
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そして名前は、櫻井翔。
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ヒデ「まーた告白ですか、生徒会長サマ」
翔「おちょくるなよ(笑)」
ヒデ「さっき振られた子が『振り方も紳士的でもっと好きになっちゃった』って泣いてたぜ？」
翔「…」
ヒデ「これだから困るねぇ、罪な男は」
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それが俺だ。
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顔良し、頭良し、性格良し。この三点が揃うと人ってものは不思議でそれだけでチヤホヤしだす。
心理学的に言うと、ハロー効果、威光効果だったか。
ああ、もうそんなことはどうだっていい。
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ヒデ「あ！白石だ！」
翔「え？」
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胸あたりまで伸ばしている、ちょっと茶色っぽい艶がある髪はストレートの内巻き。
すらっとスカートから伸びる足は細くて白い。
か細い手は地学の教科書を抱えている。
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ヒデ「いやぁ、いつ見ても可愛いな！な？」
翔「え？あ、あぁ」
ヒデ「んだよお前レベルだと白石じゃものたりねぇのかよ」
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っかぁー！ずりぃな！
ヒデはそう笑って白石に駆け寄った。
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