#2 一等星のカノジョ【ars K.N】 (ページ19)

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45.眩しい二人ページ19

「いらっしゃいませ。ごゆっくりご覧ください」

本日最後のお客様となるのは、一人のかわいらしい女性だった

栗色の柔らかなロングヘアに透き通るような白い肌

ナチュラルなメイクが彼女の睫毛を際立たせる
自睫毛かな…すごく綺麗

「すみません、あのー…店員さん？」
「…あっ、はい。失礼しました…」

どうやらずっと声を掛けられていたらしい
見惚れていて気が付かなかった…

「キャラメルティーってもう売り切れですか？」
「えーっと…在庫確認致しますので少々お待ちください」

ショーケースの裏に回って、棚をチェック
キャラメルティー……見当たらない

まだたくさんあったはずなんだけど…一応潤くんにも確認しよう

「潤くん、キャラメルティーってもう在庫ない？」
「あーそうそう。今朝全部買っていった人がいて…悪い、値札出っ放しだった？」
「そうなんだ。ごめん、値札私も気づかなくて下げてなかった」
「お客様？」
「あ、うん。あちらの方が…」

厨房から彼女の姿を確認した潤くんは「あ、」と声を漏らして店頭へ出た

あれ？知り合い？
もしかして彼女？いつの間に？

そっとその場に戻ると、潤くんと彼女が親しげに話している。美男美女……眩しい

「そっか…売れちゃったんですね」
「明後日には納品されるので取り置きしときますよ」
「一箱お願いしてもいいですか？すみません」
「もちろんですよ。そうだ…今日はケーキでも如何ですか？一つサービスしますよ」
「えー…じゃあ買っちゃおうかな」

あー、潤くんにあんな風に言われたら買いたくなっちゃうよね

巧いなぁ…
ていうかサービスとかアリなんだ？

そして彼女では……無さそう？