歌い手様にはご注意を！？４【天月】

登場 ページ7

『あの………天月さん……』






あま「ん？なぁに？」








リビングには私と天月さんだけ





私たちの声だけが部屋に響く







ただでさえ、ふたりっきりっていうだけでドキドキするのに……









『えっと……いっかい離れませんか…？』






未だに抱き締められたままでした…








あま「やだぁ！もっとぎゅってしてたいっ！」





私が遠慮がちにそう言うと、天月さんは幼い子どものように駄々をこねてさらに強く抱き締めてきた







『ちょ、天月さん……！私が耐えられないですからっ…！』





あま「やだっ、離れたくないっ！やっとAちゃんと恋人同士になれたんだもん！もっとくっついてたい！！」





『そ、そんなぁ……！』







すでに私の心臓はバクバクで破裂寸前だった













その時────






バタッ ドタンッ……ガタガタッ…ドンッ！





突然、2階から何か大きな物音が聞こえた







『へっ！？な、何の音ですか……？』





あま「何の音だろう……僕たち以外は誰もいないはずだけど」





『ど、泥棒さん…とかですかね……』





あま「さすがにそれはないんじゃないかな？ 僕ずっと家にいたから、もし誰かが入ってきたら気づくはずだし…………はっ！もしかして…」





『………天月さん？』







私は、はっとして押し黙ってしまった天月さんを不思議に思って彼の名前を呼ぶと、天月さんはゆっくりと口を開いた






あま「オバケだったりし…」





『いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ！！』







天月さんの言葉を遮ったのは私の叫び声だった




私は叫んだと同時に、天月さんに思い切り抱きついた







あま「おっ！Aちゃんから抱きついてくれるなんて嬉しいな〜！」





『だって、天月さんがオバケなんて言うからじゃないですかっ！！』





あま「あはは〜！僕はいつでも大歓迎だよ〜？」





『ふ、ふざけないでください……っ！』









私たちがそんな言い合いをしていたその時だった









「あのぉ…お取り込み中失礼しま〜す」

登場２→←告白４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す