ズルい人3 ページ43
『うぐぅ……………』
私は再び彼に何か言い返そうとしたが、また先輩やお客様にご迷惑をおかけするかもしれないという思考が過った
そのため私は、唇を噛み締めながらうらたさんのことを睨んでいることしかできなかった
そんな私の様子を見ていたうらたさんは、「はっはっはー」と勝ち誇ったような笑みを浮かべていた
先輩「Aちゃ〜ん、ちょっとこっち来て手伝って欲しいんだけどぉ〜」
『あっ!は、はーい!今行きます!』
するとカウンターの方で先輩に呼ばれたため、私はそう返事をしてから先輩の方に向かおうとした
うら「A、」
しかし、再びうらたさんに呼び止められてしまった
『もぉ……今度は何ですか?』
私が呆れ気味にそう返事をすると、うらたさんはちょいちょいと手招きをしてきた
私は、そんなうらたさんの様子を見て渋々彼の目の前まで行くと、「もっともっと」と言ってうらたさんはもっと近くに来てほしいと催促してきた
そんなうらたさんを不思議に思いながらも、私は彼に近づき、座席に座っているうらたさんに目線を合わせると、今度は「耳貸して」と言われた
私は、うらたさんに言われるがままに自分の耳を彼に傾けた
うら「お仕事がんばれ」
するとうらたさんは、いつものかっこいい声とは想像もつかないくらい可愛らしい声でそう言ってきた
『っ………///!?…っあ、ありがとう…ございます…』
当然そんな声で囁かれるなんて予想していなかった私は、一瞬で顔が熱くなり照れ隠し紛れに目を逸らしながらお礼を言ってすぐにその場を離れた
きっとあのままあそこにいたら、自分の顔が真っ赤に染っていることがうらたさんに気づかれてしまいそうだから
私は、少し進んだところで後ろをちらっと見ると、うらたさんは微笑みながらこちらに手を振って私の背中を見送っていた
普段は見せないしぐさに、声に、笑顔に、本当にドキドキされっぱなしだ
(あぁもうっ!うらたさんはズルい…っ!!)
私はそんなことを思いながらも、頭を切り替えて仕事に戻った
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今回はうらたさんのお話もちょこっと入れたかったので、ほんのちょっとの休憩みたいなお話にしました。
以前 "優しい人" というタイトルでうらたさんのお話を書いたような気がするんですが、作者は知らないフリをします(˘ω˘ )
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如月木々(プロフ) - 初めまして!すごく面白かったです!も〜ドキわくしっぱなしでした!またお時間があるときに更新してくださいね(^-^)いつまでも待ってます (2019年8月19日 16時) (レス) id: 78f4055aa5 (このIDを非表示/違反報告)
こもりうた - 更新が止まってますぅぅぅぅぅ!!すごい面白いので、早く戻って来てください!!待ってます! (2019年7月22日 16時) (レス) id: c6ad46fdd9 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます!戻ってきてください!楽しみに待ってます! (2019年7月7日 8時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜(プロフ) - ふらわぁさん» うらたさんいいですよね!!めっちゃわかります!だから天月さんとうらたさんに取り合いをされるという俺得な感じで書いちゃったんですよね…(汗) わかっていただけてすっごい嬉しいです! (2019年4月20日 20時) (レス) id: 21d5e627ad (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ - 私、歌い手さんめちゃくちゃ好きなんですけど最高でした!!私的にはもう、選べませんね!でも、個人的にはやっぱりうらたさんかなぁw (2019年4月4日 14時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃菜 | 作成日時:2019年3月24日 11時