プリムラ 3 (ページ29)

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お悩み相談 k.t ページ29

今野大輝

「あのさ、克樹にはすごく申し訳ないけどそれは克樹がわるいよ」
「ええええ俺が悪いの？！」

ご飯をもぐもぐしながら克樹が愚痴？を話しているんだけど、この人本当にあざといなと思う。

「だって普通好きじゃない人にキスの仕方とか聞かないよ」
「俺だってわかってるもん！でも大光には内緒で勉強したかったから……」
「だからってさ、そんなの矢花じゃなくても勘違いするよ。それにドキドキしちゃったとか言ったんでしょ？」
「……うん」

おれが悪いんだって落ち込んでる。なんかシルエットがすごくまるくて可愛い。

ていうか、こんぴこんぴって言いながら俺の事頼ってくれるのうれしい。
克樹って全部自分で解決しようとするから。まあ単純に恋愛というジャンルがはじめてすぎて分からないだけなんだろうけど。

「克樹は矢花のことどう思ってるの？」
「え、どう思ってるって？」
「その……好きとか嫌いとかさ」

「好きだよ。ばなさんは頼りになるし、一緒にいて楽しいし、なんか落ち込むことがあったら矢花のところに行きたいなって思う。」

ほーん。大光が悲しむ原因これか。だってそんな嬉しそうに矢花の話してたら俺でも克樹は矢花のことが好きなのかなって思うもん。

「あ、でもね！大光の好きとは違うんだよ。確かに、あの時は突然だったからドキドキしちゃったけど普段は大光にしかしないの。」
「……と、言いますと？」
「俺がちゃんと好きなのは大光だけ。」

この場にもし大光がいたら、絶対にやにやしてる。焼肉屋さんだってこと忘れてめちゃくちゃ激しくキスしそう。

「それは大光に伝えてる？」
「……伝えてない……。」
「それはちゃんと伝えなくちゃだよ！だって大光は克樹にいっぱい好きとか言ってくれるんでしょ？」
「うん。気持ち悪いくらい詳しく伝えられる。」

死ぬ、大光気持ち悪いって言われてんぞ。
でも確かに大光の愛情表現って気持ち悪そう……相当好きってことなんだろうけど。

「恥ずかしいとかじゃない。男なんだからちゃんと伝えないと！」
「でも俺下手だよ？」
「下手でもいいんだよ。克樹からの言葉だけで大光はすごい安心すると思うよ。」
「こんぴなんかかっこいい」

うん、知ってる。でも今のは俺もかっこいいなって思ったわ。

「こんぴもうちょっと教えて！」
「おう！」

てかそのほわほわした顔で俺を見るな。それも克樹の悪い所だぞ。

　