プリムラ 3 (ページ2)

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余裕と焦り y.r ページ2

矢花黎

なんだか余裕そうだねと言われる。
別にそんなこともないし、今回のことに関してはかなり焦っているのだけど……。

「やーばーな」

相変わらず可愛い話し方。

この人がメンバーの大光の恋人であることは知っているし、別にそれに文句も無い。だがその彼は恋人よりも俺への距離が近い。

だからなのかな。あまり嫉妬とかしない。

前に聞いてみたことがある。

「だかさんって大光と付き合ってるんですよね」
「うん、付き合ってるよ〜」
「大光は怒んないんですか？こんな恋人じゃない人に抱きついたりして」
「ん〜？別に怒んないんじゃない、優しいし」

優しいか……。男なんて案外そんなもんじゃないかもよ？と言ってみるものの、だかさんはどうやらお菓子に夢中らしい。
なんか大光には凄い悪いけど、本当に付き合ってる？

でも、俺が顔を近づけたっていつものように安心感のある顔なのに、大光がだかさんの顔に近づくとタコさんウインナーのように赤くなる。って、なんかたとえ下手くそだな。

それに大光は今まで通り俺含め他のメンバーにキスしてきたりする。

え？本当に付き合ってるんだよね？？

なんだろう。俺もだかさんのことが変わらず大好きだ。最初は自分が好きで読んでいたBLの主人公に似ててドキドキするとかくだらない理由だったけど、今は本気で好き。なれるものなら恋人にだってなりたい。

幸せに出来る自信はまだないけど……でも、それでも絶対泣かせたり悲しませたりしない。

だから大光と付き合ってようが関係ない。奪ってやる！みたいなのは、嶺亜くんみたいにだかさんから確実に好意を持たれてる人にしかできないしそんなことするつもりは無いけど！

それでも俺だって、だかさんと……

「やばな〜」

だかさん、大好きですよ。

望んでるものが遠くて、

よくわかんないや。

　