俺の初恋、返してよね___。【糸師凛】 (ページ2)

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桜が舞うこの季節
俺は好きだった、この季節が

しかも今年は晴れての高校生デビュー、華のDKです
彼女いない歴＝年齢、恋もしたことないピュアな男子高校生です

せめて卒業までには彼女のひとりやふたりはほしいな
いや、彼女以前にまず恋をしなきゃだろ

校門は入学式を終えたばかりの生徒で溢れかえっている
集まって写真を撮る女子、肩を組みながらわいわい話す男子。

生憎俺は地元とは離れた高校に入学したから、知り合いなんて一人もいない

早く家に帰ってゲームをしよう、そう思って歩く

ふわっ、と風が吹く
桜の花弁が空中を舞う

その中にいたんだ、君は

綺麗な黒髪が風に靡いている
その風をうっとおしそうに、髪を抑える

なんて綺麗なんだろうか______

無意識だった
俺はいつの間にか君に声をかけていたんだ

『君のこと、すきになっちゃったみたい』