ギャングスターが王子になるらしいよ (ページ1)

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シンデレラページ1

この娘では無い。と首を振るはパッショーネ王国の王太子、ジョルノ・ジョバァーナ。悔しげに下唇を噛む王女にDIO王はオロオロしていた。

「ジョルノ！そろそろ決めないか！」
「うるさいですねぇ。妃くらいら僕が決めます、父さんは黙ってて下さい。」
「W、WRY…」

ふぅ、と疲れたように目を閉じたジョルノは門が開く音に起こされた。目を向けると、どこへ行けばいいのか分からず右往左往しながら進む、人極目立つAがいた。どこの誰だかわからないが、だがそんなことはどうでもいい。王子は知っていた。

〝この乙女こそが自分の花嫁になるために現れたのだ〟

と。彼女に向かって真っ直ぐ歩いた。そして、彼女の前まで来るとそっと頭を下げた。Aもまた、いつか両親に習ったとおりにスカートの端を持ち上げ、頭を下げた。
頭を上げたジョルノは彼女の手を取り甲にキスを落とした。驚いたAは頬を赤らめた。そしてジョルノに導かれるがまま、会場の真ん中へとエスコートされた。DIOは側近であるジョナサンに聞いた。

「あの娘は誰だ？！名はなんという？！」
「知らないよ。見たこともない」
「なんだとジョジョｫｫ!!」

ワルツだと感じ取った指揮者は楽団に合図した。奏でられる音楽に身を任せた2人は、優雅に踊り始めた。周りが彼らを見つめるが、彼らにとっては2人だけの空間だった。彼らは見詰めあって思った。

〝恋だ〟

と。