記憶その55 ページ8
【Aいいかい？魔法は人を助けるために使うんだよ。決して傷つけるために使ってはいけないよ】
それが優しいお父様の口癖だった
そして私とお父様二人の約束でもあった
私はそのいいつけを今まで決して破ること無く生きてきた
でもごめんなさいお父様
今日だけはその約束守れそうにないです
『はっ……はっ……！』
私は今自室に向かって走っている
幸いバルト達とは反対方向だったから難なく行くことができた
追ってきている気配は無い
諦めた？よく分からないけどこのままなら杖まで辿り着ける……！
数十メートル離れた先にある自室の扉を開け杖のある所に真っ先に駆け寄る
杖を手に取り震える手を抑えながら扉の方へ向ける
大丈夫大丈夫、私ならできる
放火魔法でさらに火の回りを早くして私諸共この城を燃やし尽くす
何も怖い事なんてない
これは罪滅ぼしよ
こうなったのは私が婚約破棄をしたせいじゃない悪いのは全部アイツだ
でも私が魔力を持っていたら、杖を持ち歩いていたら死人を出さずに済んだし、火も早いうちに消せていた
だからその罪滅ぼし
今からお父様との約束を破る罪滅ぼし
しかもアイツは私を欲しがってた
もしアイツが死ななくても私が死ぬ事で少しでも抵抗になる
ざまあみろよ
手の震えが止まる
きっと私が死んだらグルッペン達は悲しむんだろうな
でもあの子達は強いから大丈夫
私の事なんか忘れて自由に生きてね
最後までダメな主人でごめんね
杖に力を込めたその時だった
『なんで、魔法が………出ない…！？』
赤く光る炎が出るはずの杖からは何も出なかった
ど、どうして……私何か間違えた？
なんでこんな時に……
ふとある絶望的な事が頭をよぎる
考えられるのは魔力の消失
ということは
『お父様が死………』
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ごまプリン(プロフ) - 紗由さん» はじめまして！ありがとうございます！作りたての時から書きたいなと思ってたので面白いと言っていただけて良かったです！次の過去編も楽しんでもらえるよう頑張ります！！ (2021年6月7日 22時) (
レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - はじめまして。こんにちは。夢主ちゃんの過去編面白かったです！学校で朝通知がきて放課後までずっと楽しみでした!tntnさんたちの過去編も楽しみにしてます！ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ごまプリン(プロフ) - CO2さん» ありがとうございます！大好きと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！亀さん更新は中々直りませんが（泣）完結に向けて頑張ります！！ (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きなので、亀更新でも続きを書いてくださるだけで凄く嬉しいです！！これからもごまプリンさんのペースで無理なく更新していってください(o_ _)o (2021年1月11日 6時) (レス) id: 55ea3c243b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまプリン | 作成日時：2020年12月29日 2時
