記憶その73 ページ28
『そう、よろしく！トントン！グルッペン！』
そう言って前に手を出し眩しいくらいの笑顔をする皇女に少しドキリとする
ま、惑わされんな……！演技や演技！
クソッ、ほんとに何なんやコイツ
話すたびにコイツのペースに流されてる気がする
gr「ふざけるな……」
突然、先程まで牢屋の奥にいたグルッペンが立ち上がったかと思うと、皇女に近づき出していた手をパンッと弾いた
『痛っ』
皇女は突然の出来事に何が起こったのか分からないといった様子で目をパチパチさせる
先程まで見ているだけだった後ろの二人も流石に危険だと思ったのか、腰につけてある剣に手をかけた
皇女の手を叩いた
そのたった一つの行動で和やかだった空気が一瞬にして緊張感で満たされる
tn「グ、グルッペン？流石にまずいんじゃ……」
皇族に触れる事さえ許される事ではないのに、グルッペンは皇女の手を叩いた
そんな事が陛下の耳に入りでもしたらたとえ子供だとしても死刑は確実
そんなバカでも分かるしてはいけない事をグルッペンが分からないはずがない
分かっていながらなんでそんなことを……
gr「もう一度聞く。貴様は何が目的でここに来た。何故奴 隷何かの俺達にここまでする」
『別に目的なんて、それに……』
gr「嘘をつくな！！目的がない？ふざけるな！！貴族が何の目的もなしにこんな事するはずないんだ！早く本当の事を答えろ！」
大声を出すグルッペンを見てはっとする
こんなに感情的にものを言うグルッペンは初めて見た
そうか、焦ってるんや
大嫌いな貴族にこんなに優しくされて戸惑ってるんや
それに何の目的もないときた
今までに会った貴族は自分の利益しか考えていない奴らばかりだった
それにグルッペンは元侯爵家のご子息だ
平民なんかの俺よりそんな奴ら山ほど見てきただろう
だから余計目の前の皇女の行動に戸惑いを隠せないでいる
本当は俺もグルッペンもとっくに信じていいと思っている
でも散々信じて裏切られてきた俺達には簡単にそれができない
怖い
また信じて裏切られるのがこんなにも怖い
皇女は少しムッとした様子で続ける
『ホントだよ、嘘じゃないもん！それに、貴方達が助けてって顔してるような気がしたから……困ってる人がいたら手を差し伸べるのは当たり前でしょ？私はお父様からそうやって教わったわ。
お腹、空いてるんでしょ。食べないと死んじゃうよ？』
そう言って皇女は再びパンを差し出す
何故か俺の中には怒りが募っていた
何も知らんくせに……
tn「何も知らんくせに、知ったような口きくなや！」
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ごまプリン(プロフ) - 紗由さん» はじめまして！ありがとうございます！作りたての時から書きたいなと思ってたので面白いと言っていただけて良かったです！次の過去編も楽しんでもらえるよう頑張ります！！ (2021年6月7日 22時) (
レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - はじめまして。こんにちは。夢主ちゃんの過去編面白かったです！学校で朝通知がきて放課後までずっと楽しみでした!tntnさんたちの過去編も楽しみにしてます！ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ごまプリン(プロフ) - CO2さん» ありがとうございます！大好きと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！亀さん更新は中々直りませんが（泣）完結に向けて頑張ります！！ (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きなので、亀更新でも続きを書いてくださるだけで凄く嬉しいです！！これからもごまプリンさんのペースで無理なく更新していってください(o_ _)o (2021年1月11日 6時) (レス) id: 55ea3c243b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまプリン | 作成日時：2020年12月29日 2時
