記憶その60 ページ14
br「記憶を失ってもらう必要がある」
『え…？』
バルトの言葉に耳を疑う
記憶をなくすって、そんな事……
『そ、そんなの、できるわけ……脅してるつもり……？』
自分の声が酷く震えていて内心呆れる
バルトは呆れた様子でわざとらしい溜息をつく
br「はぁ、一体どこまで世間知らずなんですか？他の国には貴方達以外に魔法が使える人なんてたくさんいます。記憶を失くす薬があっても何ら不思議ではない。それとこれは脅しです。」
バルトはニコッと微笑む
皆と過ごしてきた大事な十数年間を忘れろって言うの？
嫌だ、そんなの絶対耐えられない
忘れるくらいなら死んだほうがまし
『嫌だ、と言ったら？』
バルトは獲物を捕らえるように目を細める
br「その時は貴方の護衛達を殺します」
ドクンと心臓が大きく波打つ
『あの子達は関係ないでしょう！！』
半ば叫ぶように声を荒らげる
反射的に体が前に出て手枷と足枷の重い音が響く
br「関係ない？それは貴方が決める事ではありません。それにこれは脅しだと言ったでしょう？」
全身の血の気が引く
これは冗談なんかじゃない私が断ったら本当に皆を殺るきだ
何で皆がが巻き込まれなくちゃいけないの？
何で殺されなくちゃいけないの？
何で？どうして？
全部、私のせい……？
br「今は貴方が居なくなって心身共に弱っているだろうから簡単に殺せそうだ。可哀想に貴方のせいで巻き込まれるなんて」
そうだ。私のせいだ。
私のせいで皆が………
br「さあ、どうします？記憶を失くすか護衛たちを見殺しにするか。選ぶ権利は貴方にあります」
『い、嫌っ！私そんなのっ………』
知らないふりをしていた恐怖が急に押し寄せてくる
嗚咽混じりにボロボロと涙が溢れる
段々と自分が黒い何かに呑み込まれていくのが嫌でもわかる
それでも呑み込まれないように必死に抵抗の言葉を口にする
『わ、私を……私を殺しなさいよ……!』
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ごまプリン(プロフ) - 紗由さん» はじめまして！ありがとうございます！作りたての時から書きたいなと思ってたので面白いと言っていただけて良かったです！次の過去編も楽しんでもらえるよう頑張ります！！ (2021年6月7日 22時) (
レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - はじめまして。こんにちは。夢主ちゃんの過去編面白かったです！学校で朝通知がきて放課後までずっと楽しみでした!tntnさんたちの過去編も楽しみにしてます！ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ごまプリン(プロフ) - CO2さん» ありがとうございます！大好きと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！亀さん更新は中々直りませんが（泣）完結に向けて頑張ります！！ (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きなので、亀更新でも続きを書いてくださるだけで凄く嬉しいです！！これからもごまプリンさんのペースで無理なく更新していってください(o_ _)o (2021年1月11日 6時) (レス) id: 55ea3c243b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまプリン | 作成日時：2020年12月29日 2時
