QuizKnockの天才末っ子 (ページ29)

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おやすみ先生ページ29

【視聴者さん目線です。】

｢今日もお疲れ様。

今日はね、僕の大好きな先生の話をしようかなって。

あ、男の先生だよ？(笑)｣

嫉妬した？とでも言いたげに目を合わせてくる

｢あのね。中学2年生の時の、理科の先生で、

最初はこんな若い先生にちゃんと授業できるのかなーって

思ってたくらいで、全然好きじゃなかったんだけどね。(笑)

でも、授業がとっても面白くってさ。

いろんな知識だったり、Googleの入社テストとかやったり、

気象予報士のテストやったり。

豆知識を入れつつ、授業はわかりやすく。

ほんとに、大好きだったんだ。｣

はぁ、と吐息を含ませながら
まるで、初恋の人を話すように、噛み締めながら話す

｢でも、その先生は、１年で他の学校に行っちゃったんだ。

その人はテニス部で、生徒に混じって練習してる姿は、

まだほんの学生に見えて、

なんで歳が離れてるんだろう。

友達になっていっぱい喋りたかった。ってすごく思った｣

唇を噛み締めながら、悔やむように目を閉じている

｢その人が離任するって噂を聞いて、何度も問い掛けた。

離任するんですか？行かないでくださいって、

でも、離任するかはわかんないよ？ってはぐらかされて

だから、最後までわからなかった。

だけど何となく、離任しちゃうんだろうなって思ってたから

離任式後に青色のネックレスをあげたんだ。｣

思い出を探るように目線を動かす

｢俺の前では開けないでください。って言って、渡したの。

そしたら次の日にバスケ部の練習中に、先生が来て、

何にも言ってなかったし、余りにも突然で、驚いちゃった(笑)｣

愛おしむように目尻をくしゃっとさせて笑う。

｢顧問もいなかったし、練習に参加してもらって１時間くらい過ごした

そしたらその人が、僕の渡したネックレスを着けてたの(笑)

恥ずかしくて、嬉しくて、泣きそうになっちゃった｣

その時のことを思い出したのか、目に涙がうかんでいる

｢練習のあとで、その人に呼ばれて、これありがとうって言われたんだ。

でも、僕恥ずかしくなっちゃって、やっぱり離任するんじゃないですか

って、ふて腐れながら言っちゃった。

そしたら、何泣きそうな顔してるのー？って(笑)

お前のせいだよって言えたらどんなによかったか(笑)｣

無理して笑ってるのがありありとわかる顔でこちらを見る

｢まあ、それからめっきり会う機会はなくなって、

今はもう連絡先も知らないんだ。｣