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目黒side.
俺が今年1番楽しみにしてたのが、生徒会主催の借り人競争。
ラウと一緒に出ようともともと決めていたが、まさか一緒のレースだと思っていなかった。
「めーめ！頑張ろうね。康二くん、借りるの？」
「さぁ？お題次第？」
「……変なお題でればいいのに。」
すんごい目で見てくるラウに突っかかろうとするも生徒会役員に「次の人たち前出てください」と言われ渋々諦める。
「めめ、ちなみに康二くんは本部にいるよ？」
「わーってるよ、そんなこと。あいつもいんぞ？」
「僕は別にそんなんじゃないからいいもん。」
……素直じゃないやつ。
頑張ろうと拳を突き合わせたところでピストルの音がなりお題箱まで走る。
箱に手を突っ込み、折りたたんである紙を取り広げ内容を確認するとゴールとは反対側にある本部へと向かう。
「センセ。」
「はっ、え、何でやねん。」
まず出ることも言ってなかったし、来るとも思ってなかったのかなかなか出てきてくれない。
すると、隣に座っていた深澤先生が無理やり立たせて引っ張ってきてくれた。
「はい、めめどうぞ。」
「あざっす。ほら、行くよ。」
「ちょ、ふっかさん何してくれてんねん。っておい待って目黒速い！」
まだ状況を飲み込めてない先生の手を取りゴールへと走る。
とりあえず走りゴールテープを切ると1番。
「さぁ、1位は目黒くん！連れてきたのは向井先生ですが、お題は何でしたか！？」
「あぁ、えっと、」
隣にいる先生の方をチラッと見ると不安そうな顔をしていて。
まだ離していない手を無意識にキュッと握られた。
……あんまり可愛いことしないで。
「お題は、 "苗字がま行の理科の先生" です。」
これからもずっと康二といたいのに、ここでヘマするような男じゃないよ。
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年11月13日 12時
