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そしてやってきた、発見者大森サンのお宅。
正直気乗りはしないけれど…真司一人で行かせたらまたトラブル引っ張って来そうだし、令子サンにこんなしょうもない案件任せる訳にもいかないし。
存在しないやる気を無理に引っ張り出して、ここまで足を運んだというわけだ。
「うっわー！ホンモンだよホンモン！」
「えっへっへっへっへっ、ねぇ〜？」
…が。
「やっぱりコレ、突然変異ってやつですか！」
「私も驚きましたよぉ、偶然川の側を歩いてたらぁ、この子がピカピカ光ってましてねぇ〜」
『……』
既にめちゃくちゃ帰りたい。
「私も長いこと生きてますがねぇ、こんなのは初めてですよ」
私は縁側に座った大森サンが抱える虫かごの中の、"金色のザリガニ"に目を向ける。
大森サンが得意げに見せる金色のザリガニは、金に塗装したただのザリガニにしか見えない。
甲羅とハサミの一部が安っぽい金色をしているだけだ。生まれながらに金色だと言うなら、もっと全身が金色なんじゃないか？足とか爪の先とか、細かいところがめちゃくちゃ赤いぞこのザリガニ。
かく言う真司は、本物だと信じてテンションMAXだけど。
「あっ、でもね、そんなに大袈裟に書かないでくださいよ？私、あんまり騒がれるのが好きじゃないんでねぇ〜…」
『…あー…ともかく、発見した場所に案内して頂けます？』
「あーもちろん、もちろん！」
しかし仕事は仕事。
外へ向かうことを促せば、大森サンは意気揚々と玄関へ向かった。
それを見送ってから、真司がザリガニにシャッターをきる。
「すげぇ〜ザリガニがピースしてるよ…」
『ザリガニはずっとそうじゃない？』
「え？あっ、そっか」
もう真司に任せて帰ってもいい気がする。真司も大森サンと気が合うみたいだし。
まずこんな案件に二人もいらないだろ。
なんて考えていると。
ーキィィン…
「『！』」
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作者名：なちなちこ。 | 作成日時：2022年9月24日 18時
