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「も、もしもし」
『あっ伊地知、今時間ある?』
3コール目で電話に出てくれた彼だが、心なしか声が震えている気がする
「い、今はちょっと……」
『あー、お取り込み中だった?なら、また掛けなおすね』
そう言って電話を切ろうとしたが、電話の向こうから伊地知とは違う男の声が聞こえてきた
「もしもし〜?今伊地知は僕と話してるからまた掛け直してよ……というか君だれ?」
伊地知の彼女〜?と聞いてくる男に腹が立ってくる
『人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るのが常識では?』
少し苛立った口調で言うと、男は悪びれる様子もなくケラケラ、と笑いながら自己紹介をしてきた
「ごめんね〜、僕は五条悟……知ってる?」
この界隈で働いていたら、彼の名前を知らない者なんていないだろう
『えぇ、知ってますよ………よく伊地知に書類を押し付けている暴君ですよね?』
何を思ったか、煽るような事を言ってしまう
しかも相手はあの御三家の五条悟だ、あぁ私死んだわ
「あっはは!君面白いね、名前は?」
『……如月Aです』
そう答えた瞬間、電話の向こうの空気が冷えていくのが分かる
「君、上層部の人だよね?悠仁が殺されるの知ってた?」
『上層部が彼を殺そうとしてたことくらい、あなたも分かっていたのでは?後、私はその件に関わらせてもらってないです』
「ふーん、言い訳?」
『なっ、違ッ……くないですね、そうですよ私はあのジジイ共に逆えないから、彼を見殺しにしました』
半ばヤケクソで答えると、何故か笑われる
「やっぱ君面白いね、まだ上層部も終わってなかったのか」
『なんのことです?』
「新鮮なミカンもあったってことだよ」
『いや、意味わからないです』
先程までの冷たい声が嘘のように、明るい声で話してくる五条さん
そんな事を思っていると、電話の向こうから微かに女性の声が聞こえてきた
「あー、これから忙しくなるから切るね!またね!」
『え、ちょっと⁉ ……切られた』
携帯電話を見ると、そこには通話終了の文字が
『後で伊地知にこの事問い詰めてやる!』
そう心に決め、机の上にある書類に手を伸ばす
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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!出来たら全員のキャラに愛されたいです!(恋愛的に)あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年1月16日 16時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
らる - 続き…続きが欲しいです…ッ! (2021年2月23日 9時) (レス) id: 479d7ce450 (このIDを非表示/違反報告)
ケチャップ(プロフ) - ちゃんさん» 一緒ですね....頑張りましょう! (2020年12月1日 21時) (レス) id: a8cfebc199 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - 私もテスト今週からです......テスト明けの更新を楽しみにしています!お互い頑張りましょう! (2020年11月30日 21時) (レス) id: 1628113272 (このIDを非表示/違反報告)
ケチャップ(プロフ) - 勿忘草さん» 本当ですか!?笑ってもらえてすごく嬉しいです!コメントありがとうございます! (2020年11月24日 19時) (レス) id: a8cfebc199 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケチャップ | 作成日時:2020年11月22日 22時