い ページ5
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あれから五日くらい経って、私は今いる場所から離れることになった。
彼は、その日も懲りずに私の元へ来た。
たくさん人がいる中、それをかき分けてまで私の元へ来た。
「A…。俺はお前のことを、愛して、いたんだ。」
『…そっか。早く忘れて。』
やはり君は、その綺麗な瞳に涙を溜めて私に話しかける。
…そういえばさ。
その涙、一度も零したことがないよね。
まったく、君は強いのやら、弱いのやら。
「…俺がもし、お前に出会わなかったら…お前は……」
『…言わないでよ、そんなこと。私はあなたと出会えて幸せだったんだよ、少なくとも。せめて、あなただけは、私を否定しないで。ひたすら前を向いていたあなたに、私は恋をしたんだ。』
「…あの時、巻き込んでしまって…、本当にすまない。」
『そんなこと言ったってさ、もう遅いんだって。』
もう遅い。
遅いんだ。
「…お前は、こんな俺の隣にいて、幸せだったか」
『…。』
幸せじゃなかったと言えば、嘘になる。"それなり"に満足していたと言っても、嘘になる。
『今更、どうでもいい。』
君が幸せになるんだったら。
もう、どうだって良いんだ。
…あれ。
そういえば、ちゃんと義勇に別れを告げてなかったな。
それは悪い事かもしれないね。いくら、中々会えないからとは言え。
きっと、それだから君は、私のことを忘れも、諦めもしないんだね。
…たくさん、ありがとうと思うよ。
たくさん、ごめんねと思うよ。
「A…お前まで、俺を置いていくのか…っ。」
彼は、そんなか弱い声で、私へ吐き捨てた。
『……うん、置いていく。』
仕方がないんだよ。こればかりは。
私と君とじゃ、住む世界が違うんだから。
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私は、あなたと一緒に過ごせてとっても幸せだったんだよ。
なんて。そんなの、ただの独り言だ。
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mustard(プロフ) - 本当…私の事泣かせに来てるな！作者さん！！なんだよ！ポケットテッシュ全部使って何が悪い！涙が止まんなかったんだよ！←逆ギレ (2020年3月18日 2時) (
レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 凄く感動しました！！これからも頑張ってください！ありがとうございました！！ (2020年1月26日 11時) (レス) id: dbe2a2ad53 (このIDを非表示/違反報告)
大山撫子(プロフ) - ササミさんの新作と聞いて駆け付けてみれば…なんですかこれは！(泣)しかも推しって……涙腺崩壊しました…。自分も占ツクで泣いたの初めてです！ありがとうございました！ (2020年1月26日 10時) (レス) id: 7e908248b2 (このIDを非表示/違反報告)
舞雪 - 読んでて途中で気付いて泣いてしまいました・・・。占ツクで泣いたの初めてです！ありがとうございました！！ (2020年1月26日 3時) (レス) id: 3f35ea9ba7 (このIDを非表示/違反報告)
はとぽっぽ - ひょええ……感動しました…。こういうオチも好きです！文章の雰囲気が大好きです！有難うございました！ (2020年1月25日 21時) (レス) id: 2bd86dfab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：食物連鎖の頂点に立ったササミ(国産) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1e4d26931d1/
作成日時：2020年1月25日 21時
