Story48 ページ11
栗花落 side
「カナヲ、鍛錬場にいらっしゃる哮乃疚Aと言う人物を手伝ってあげてください。」
師範からそう告げられたのが数刻前。
こくりと頷いた私は、同時刻に師範からもらった一本の木刀を手に、鍛錬場へと足を動かした。
・
・
…のだけれど。
『……うっかりです!』
「……?」
この子であっているのかな…?
師範から告げられた哮乃疚Aらしき人物は、私が鍛錬場に入ると同時にそんな事を言い出した。
その後すぐにまた変な顔つき(酷い)になるものだから、本当にこの子であっているのか不安になる。
「…あなたが、哮乃疚A?」
『へっ!?そそそうだよ!!?』
「…師範が、あなたを手伝って欲しいって、」
『…!?な、なんと!!?』
彼女は大袈裟な反応見せた後、ふぉおお、流石は我らがしのぶさん!!と、これまた大袈裟に叫んだ。
…変な子。
『えぇっと、じゃあ…まずはお手合せをお願い出来ないかな…?』
「……」
こくりと小さく頷くと、私は彼女から少し離れて構えをとった。
それに対して彼女は少し驚いた素振りを見せた後、慌てて刀を構え始めた。
それを見届けると、私は右足に力を込めて、彼女へ向かって木刀を振りかざした。
急な事で着いてこれなかったのか、彼女はひとまずしゃがみこんで避けると、そのまま受け身をとって再び立ち上がった。
もう一度刀を振ると、今度は避けずに手に持っていた木刀で私の刀を受け止めてきたので、すかさず彼女の横腹に蹴りを入れた。
予想していなかった行動を取ったからなのか、彼女は呆気なく飛ばされてしまった。
『…ちょ、ストップストップ!!剣術だけでお願いできるかな!!?』
「…す、すと…?」
『アッそうだねゴメンね止まってって意味!!』
無駄に大きな声で彼女はそう叫ぶと、意外と容赦ないのねカナヲちゃん……と、小さく声を漏らした。
「…だって、言われてないから…」
手合わせをするなら何も剣術だけとは限らない。彼女は最初にそんな制限を付けなかった。
そこを指摘すると、彼女は胸部が痛むのか、両手で心臓の辺りを抑え始めた。
「!…だ、大丈夫…?」
『だ、大丈夫です……』
おかしいな、蹴ったのは横腹なのに…。
そんな意を込めて声を掛けると、彼女は蚊の鳴くような声でそう行った。
…この子、本当に鬼殺隊なのだろうか。
本当に変な子だなぁと印象を付けながら、私は彼女が再び立ち上がるまでその場で待った。
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いちは - 画像が見えませんでしたもう一回乗せて貰っても良いですか? (2021年4月19日 20時) (レス) id: dbf78b71fe (このIDを非表示/違反報告)
抹茶大好き丸 - すごく面白かった!続きが気になる〜!もう、これ終わってる感じすか?マジすか?見たいよ〜!新八のメガネのときスッッッゴイ笑いました。怒られました五月蝿いと!ひどい!ぴえん(?ってこういうときに使うの?) (2020年7月17日 18時) (レス) id: 24ae341109 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - そうですか!それは良かったです!頑張ってください!私銀魂好きなんで新八が出てきた時飲んでたレモ○ティー吹き出しましたw← (2020年1月28日 17時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)
食物連鎖の頂点に立ったササミ(プロフ) - チョコレートさん» わざわざありがとうございます…!そろそろペットロスからも開放されるので結構良くなりました!これからも更新頑張ってまいりますので、どうか宜しくお願いします!!それと、返信遅くなって本当にすみません…! (2020年1月26日 11時) (レス) id: 1320405534 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - あらぁ…それはそれは…大丈夫ですか?私ペットを飼った事が無いのでお気持ち完璧にはお察し出来ませんが、これからも更新頑張ってください! (2020年1月20日 16時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:食物連鎖の頂点に立ったササミ(外国産) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1e4d26931d1/
作成日時:2019年12月29日 19時