ＯＮＬＹ［HS］ (ページ49)

今日:1 hit、昨日:14 hit、合計:138,733 hit

16 ページ49

抜歯のために向かった病院。
マネオッパとホソクオッパも一緒についてきてくれて、無事に抜糸を終わらせた。

「傷の治り早いね！もうほとんどくっついてるから、普通に歩いても運動しても大丈夫だよ。ただ、無理だけはしないようにね」

私に心療内科の受診を進めてくれたと言う外科の先生は、きっと傷だけじゃない、私の心の状態も気にして、「無理しないように」と声をかけてくれた。

自分が追い詰められていると理解したのはパニックになったときのことをホソクオッパに教えてもらったとき。
「対等に活動できますから」「迷惑かけませんから」それは確かに私がマスコミに浴びせられた言葉だった。

メンバーに迷惑をかけているんだ。きっとずっと前から心の奥にあったその気持ちが一気にこみ上げてきて、息ができなくなった。

その時も側にいてくれたオッパは優しく手を握って、背中を摩ってくれた。

HS「じゃあ、次は４階だね」

看護師さんに連れられて関係者用のエレベーターで上がり、またこの前の診察室に通された。

「あの、もしAさんが大丈夫であれば、今日はお一人で受診していただけますか？」

この前と同じように2人も一緒に診察室に入ろうとした時、看護師さんが控えめに声をかけてきた。

「あ、大丈夫です。私1人で問題ありません」

MN「本当に大丈夫か？」

「はい、大丈夫ですよ」

心配そうに眉を下げるホソクオッパにも、大丈夫ですからと微笑みかける。
看護師さんは2人を別の診察室に案内しますから、と言って部屋を後にした。

「Aさーん、おや？この前よりも顔色がいいですね」

陽気に診察室の扉を開けたのはこの前の先生。
ニコニコと大きなお腹を揺らしながら、私の前の椅子に座った。

「何か進展はありましたか？」

「はい、私、グループを脱退しようと思って」

「脱退？活動休止ではなく？」

「はい。休止も考えたんですけど、やっぱりそれだとメンバーに迷惑をかけるので。もうこれ以上迷惑をかけたくなくて」

「…そうですか」

先生はそう言ってカルテに何か書くと、まっすぐ私をみた。

「でも、全て自分で決める前に、ちゃんとメンバーの皆さんと話し合ってください。全部1人で解決しようとする癖は、Aさんの直すべきところですよ」

本当はいろいろ話そうと思ったけど今日はこれで終わりにしますね、と先生はいって、カルテをまとめた。
そして、次はメンバーと話し合いをして、どうするか決まったら来てね、と言って部屋から出て行った。