ＯＮＬＹ［HS］ (ページ24)

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いつもより早めに眠りについた私は、いつもより早く目が覚めた。
まだ誰も起きていないことを確認して、ランニングに出かけ、懐かしい道を1時間ほど走って、家に戻りシャワーを浴びる。

『A、早いね。おはよう』

肩にタオルをかけてリビングに行くと、お腹が空いているのかぐずっている架と、架をあやしながら食事の支度をしている姉。

『おはよ、お姉ちゃんも早いね』

『架に起こされたのよ～。ちょっとA、架のこと見てて』

『はいよ』

姉から架を預かって全く泣き止む気配のない架をあやしながら部屋をうろうろしてみる。

『今日は何時頃に戻るの？』

『ん～…』

『昨日、電話してたでしょ。V LIVEみてたよ』

『あ、みてたんだ』

『たまたま通知に気づいたからね～。そろそろメンバーに会いたくなってるんじゃない？』

『まあ、そうだけど、でもお姉ちゃんたちともなかなか会えないし』

寂しい寂しいと繰り返すメンバーの元へ早く戻ってあげたい気持ちと、家族とももう少し一緒にいたい気持ち。

『私たちのことはいいから、Aの良いタイミングで戻りなね？』

『ありがとう』

私の方は見ずにその代わり普段からもっと連絡しなさいよ、と言う姉。
3つしか歳が変わらないのに、いつまで経っても姉は姉なんだなあ、と改めて思う。

『はい、架お待たせ』

待望のご飯を前に、待ち切れんとばかりの架。
姉に食べさせられながら必死にもぐもぐしている姿が可愛い。

『私にやらせて』

姉からスプーンをもらって架にご飯をあげていると、姉はその様子を可愛い可愛いと言って写真を撮り始めた。

『後でその写真送って』

『もちろん』

『待ち受けにしようかな』

『待ち受けにするの？じゃあもっと可愛くしなきゃ』

可愛いくしなきゃって言ってもすっぴんだし、髪も何もセットしないけど。
姉はもっとこうして、次はこうして、とプロカメラマンばりに指示を出しながら大量の写真を撮ってくれた。

『あ、これ。絶対これ待ち受けにして』

そう言って送られてきたのは私が架のほっぺにキスしてる写真。
確かにこれならすっぴんかどうかもわからないし、架もニコニコでよく撮れている。

今変えて！という姉に急かされ、待ち受けに設定した。

『うん、これでAがもっと電話してくれるようになるわ。よかったね～架！』

確かに、これを見たらまた架の顔が見たいと思うだろう。
姉もきっともっと連絡して欲しいと思っていたのだろう。
今度からはもっと頻繁に連絡するようにしようと、心に決めたのだった。