【歌い手】キミは僕が好きだけど僕は他の子が好き【センラ】

Episode 06 ページ7

あの後、月ラジや配信でぼんやりとあの架空ちゃんのことをぼやかして発言した結果。

センラー @sen___
んー、最近聞く配信での好きなタイプとかってなんなんだろう。snrさんに好きな人でもいるとかかな？

ラ @sen_
セさん話してる時ほんとに楽しそうなんだよなぁ……
ガチ恋って訳じゃないけどなんとなくモヤモヤするような……

センラー @senra__
めちゃめちゃ気になるけど黄色い方が幸せならそれでいいって思えるんだよなぁ
いい歳だし

うんうん、いい感じに惑わされている。
いわゆるガチ恋やリアコと言う人たちも文面からして完全否定とかはないらしい。
とは言え、正式に発表するまでは何も安心できないけれど。

「っえ」

携帯が振動してメッセージが来たことを告げる。
そこにはAさんという文字と胸を踊らされるような文面があった。
即座にロックを開き既読をつける。
早く既読つけすぎて暇人みたいに思われてないかな？

Aさんこんにちは、よく来てくれてありがとうございます。今度、新しいメニューを出すのですがその案をセンラさんに一緒に考えて欲しいです。もし良ければ一緒に出かけてどんなのがいいか考えてくれませんか?

丁寧な文章には言わばデートのお誘いが来ている。
緩んだ頬を抑えて素早く文字を打つ。
大丈夫かな、誤字脱字とかしてないかな、変な文章じゃないかな。
一つ考えると全部疑問に思えてきて何度も何度も読み返す。
覚悟を決めて送信ボタンを押す。

センラありがとうございます。是非行きたいです。僕は今週の土曜日が空いていますがAさんはいかがですか?

既読つかないな、どうしたのかな。大丈夫かな？
携帯をじっと見つめるが文章の横に既読の文字は付かず携帯を片手におろおろと歩き回る。

打ち間違いとかしたっけ！？
え、あれ。不安になってきて画面をもう一度見る。
すると既読の字が着いていて心が踊る。
ポンッと軽快な音と共にメッセージが表示される。

Aさんありがとうございます、土曜日ですね、分かりました。何時がいいとかありますか?

ああ、本当に嬉しいなぁ。
ゆるゆると緩む頬を抑えながら文字を打った。

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