【歌い手】キミは僕が好きだけど僕は他の子が好き【センラ】

Episode 05 ページ6

そんなこんなで和気あいあいとした雰囲気のまま無事に僕の架空の好きな人は完成した。

「え、名前はー？」

「……なくてよくない？」

「あっ、じゃあ――」

完成だ！

高らかに宣言した坂田。
その紙を僕は奪って書かれた字を追った。

明るい栗色の髪は肩につくかつかないかまで伸びていて右の方にクロスにピンが付けられている。
薄い紫みたいなアヤメの花みたいな色の目に黒縁のメガネをつけている。
ふわふわした可愛らしいイメージで好きな食べ物はフレンチトースト。
俺(志麻くん)と同じくらいで華奢。

「っふふ……」

所々消しゴムがないからかぐしゃぐしゃっと消されている部分もあり読みにくいけども要点をまとめた箇条書きでそれぞれが書いていて微笑ましくなる。

「えぇ、笑うん〜？」

おどけた口調で笑う坂田に笑みを返す。

「いや、頑張ってくれたんやなぁって」

「っ、ふふ、せやろ？」

ドヤァッと言った様子に微笑む坂田。

「ありがとう。うらたんも、志麻くんも、坂田も参加してくれたから、きっと大丈夫やわ」

三人の方を向いて笑顔を見せればみんなの表情がぱぁっと輝いて満面の笑みで頷いた。


「うん！」
「せやろ！」
「そうだよね！」

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