グラサン分解魔は奥さんに甘い4【松田陣平】

133話 ページ14

『そうくん、お迎えきたよ。』


颯真「ママ！」


私が呼ぶと、すぐ駆けつけてくれる姿は、いつまでも愛くるしい。


しかし、その後突進するように抱きついてくるのが、今はそれが少し怖い。


『そうくん、抱きついてくるのは嬉しいんだけど、お腹の赤ちゃんがびっくりしちゃうから、優しく抱きついてほしいな。』


颯真「やさしくだね！わかった！」


『ありがとう。じゃあお家帰ろうか。今日はカレーだよ。』


颯真「ほんと！？はやくおうちかえろ！！」


そういって、私の手を握ってそうくんは走り出す。


『ちょっと…止まって……！』


少しすると、そうくんは止まってくれる。走ったりするのも久しぶりで、息も切れる。


颯真「どうしたの？」


『今お腹に赤ちゃんいて、ゆっくりしなきゃいけない時期だから、今みたいに走ったりできないの。だから走らないで歩いてほしいの。』


颯真「ママにぎゅーするのも、はしったりするのもダメなの…？」


今にも泣きそうな顔でそう聞いてくる。


『ごめんね。少しの間我慢してほしいな。だから、ママに出来ない分、パパにしてあげて。』


颯真「わかった……」


私はそうくんを抱っこして、家へと帰った。

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