この恋は結ばれてはいけません【松田陣平】

24話 ページ25

『どうしたの…？』


今できる最大級の笑顔で笑った。


陣平「こんな時まで無理に笑うな。全部俺に吐き出せ。全部受け止めるから。」


『でも……』


陣平「でもじゃねぇ。俺はお前の全部知りてぇんだよ。」


私を真っ直ぐ見つめる松田くん。この人になら…私の全てを捧げてもいい、そう思った。


私は覚悟を決め、全て話すことにした。


『……松田くんのお父さんが誤認逮捕された事件で殺されたのは…私の父なの。私もその現場にいたのに…真犯人は違う人だって分かってたのに…松田くんのお父さんは犯人じゃないって言えなかった…！本当にごめんなさい…』


そこまで言って私は涙が溢れ出す。


そして私は、松田くんにぎゅっと抱きしめられた。


陣平「やっと言ったか。」


『え…？』


陣平「全部知ってたぜ。若菜があの事件で殺された橘太陽の娘だってな。」


『なんで…』


陣平「見ちまったんだよ。事件が起きた日と同じ日に、事件現場に献花してる若菜をな。」


『それって…私たちが出会う少し前じゃない…あの時…松田くんもいたの…？』


陣平「あぁ。若菜が去った後、俺も献花した。どっかで見た事あるなと思って、それが献花の時に見た奴だって気づいて、学校の資料室で事件の事調べたら、若菜があの事件で殺された被害者の娘だって知ってな。」


『そんな…じゃあどうして、それでも私の傍にいるの…？私のせいで、松田くんのお父さんは捕まったのに…』


陣平「んなの、好きだからに決まってんだろ。」


『え…』

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