違った道の隻眼女6【坂田銀時】

第257話 ページ3

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月を見れば





『松陽先生ぇぇぇええええ！！』





嫌でもあの夜を思い出す








そして曇天を見れば






あの戦場を思い出す








貴｢.............今思えば....



私は泣き叫ぶばかりだったな...................｣









無力なあの頃を嘲笑いたい








貴｢...................｣








膝に顔を埋めれば







髪から垂れた紐がスルりと滑る







視界に入る淡い紫色のタッセルが淡い思い出へと


導いていく








すれ違いに悩んでたおり、

あいつが似合うからとくれたもの






それをなぜ今も肌身離さず持ち続けているのか


私にもわからない








.









.









.









.









貴｢.............なん、で.......｣








歪む視界に





雫が落ちる音






胸の痛みに





疼く左目









『月見ながら酒とは大人になったねぇ｡身長以外は』





『やっとリラックスタイム？』









月を見て思い出すのは

憎いことばかりじゃなかった.......








それがどうしたってんだ.......







この髪紐を外せないのも






己を終わらそうと

刃を向ける度頭に浮かあいつの顔も









それがどうしたんだよ...................









神威｢A｣








期待した







あいつの声なはずないのに








神威｢.............もう...｡一人で泣くのはやめろよ.......｣








そう包んでくれるこの腕が





あいつだったら.............







神威｢好きだよ｡｣







そう囁いてくれるこの声が







左目に触れる唇が









神威｢.............｣








全部お前だったら...............................









貴｢...................許せ、神威｡｣








神威｢いいよ.......｡アンタに利用されるなら喜んで｣









そう言いながらも

苦しそうに笑う神威を私は知っている






そんな私を見てまつ毛を伏せる万斉も知っている









二人を傷つけ支えてもらいながらも私は.............









貴｢銀.............と、き...............................｣









好きな男の名前を呼ぶ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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