色を知らないお前に見せたい色、戸惑う色2【高杉晋助】

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なんで…………そんなこと………………








高杉「……離せ」






貴「どうしてですか？



私が吉原出身のことは忘れる、と約束してではありませんか」






高杉「………」







貴「なりたくて遊女になったわけではありません。


………遊女だったことは申し訳なく思っています…。





ですが先程の晋助様のお言葉は聞き捨てなりません。」









高杉「………」








貴「惚れさせるのは容易いって………



そうならなかったのは貴方でしょう…？





私は貴方にしか………………」








高杉「じゃあなんであいつはお前を名前で呼んでたんだよ」






貴「晋助様が私を呼ぶ声は誰もが聞いております」






高杉「万斉の部屋に２人で半日も何してた」






貴「鬼兵隊のことについて詳しくお聞きしていました。」






高杉「お前が知る必要はない。



言ったはずだ。鬼兵隊の奴らは関係ない。俺の女としていろと。」







貴「総督様のそばにいさせて頂いてるからこそです」






高杉「なら俺に聞かねぇか」






貴「お忙しいところをお邪魔しては悪いと思いました」









強気で言い返しているけど





相手はあの高杉晋助…………。






いつのより低い声に押し潰されそうな気迫…。






震える手を握るが








何よりも…………………







彼と喧嘩をしてることがつらい………。






こんないいあいなんてしたくないのに…。







「遊女」


彼から言われた言葉に胸が痛くなる









高杉「だいたいてめぇは………………」







貴「……………」









痛む胸を流すように瞳が濡れる









高杉「っ、」








分かった…………。





今、彼が傷ついたのが、分かった………。









高杉「………A。」








強く引き寄せられ、彼の胸に頬が触れる






そして涙が彼の着物を濡らしていく









高杉「…………すまねぇ…。泣かせる気はなかった……。」






貴「……私………晋助様しかっ…………」







高杉「あァ…。分かってる…。悪かった。」






貴「もう、怒ってませんか…？」





高杉「あァ…。」





貴「嫌いになってませんか？」





高杉「当たり前だ


……愛してる。」






よかった………。



いつもの晋助様に戻っ_________









高杉「………だが、印はつけさせてもらう。


てめぇは俺だけのものだ」









・・・いつもの………。

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