¨ ページ10
¨
渡辺
「 ………わ！ …しょうたくん、か 」
渡辺「 ふっかが良かった？ 」
「 …いや、今深澤くんから逃げてきたし、しょうたくんで良かった 」
とりあえず、ふっかとAがどこに行ったか分かんなかったから楽屋の周りをうろちょろしていたらドンピシャでもう今にも泣きそうな顔のAとぶつかった
渡辺「 お疲れ、泣いてんじゃん 」
「 …泣いてない 」
渡辺「 ¨まだ¨ だろ？ 」
「 うるさい 」
ぽかぽか殴ってくるAの頭を雑に撫でて目の前の楽屋をスルーして人気の少ない自販機横のベンチへ移動する
渡辺「 もう他の奴らも皆来てるから 」
「 ごめん、」
渡辺「 ちげーよ。お前がその顔で戻ったら聞かれるって言ってんの、特に康二と結城 」
そう言うと少しクスッと笑って ¨ たしかに(笑) ¨ って。
渡辺「 お疲れ、言ってくれてありがと 」
「 …わたしが言ったところで変わることないんだろうけど 」
渡辺「 でも頑張ってくれたじゃん 」
渡辺「 ほんとは外したくなかっただろ？ 指輪も、ピアスも 」
ぶわっと溢れてきた涙を隠すように手で顔を覆うAはやっぱり出会った時のようにまだまだ全然子どもで、か弱くて、儚くて、すぐ消えてっちゃちそうで
「 ほんとは、深澤くんが毎日女の人を取っかえ引っ変えしてるのよりも、」
渡辺「 ん？ 」
「 あの、沙莉さん、が羨ましかった 」
「 深澤くんの心をあんなに崩せて脆くさせて、深澤くんの脳内をあんなに占めれて、だから、わたし、」
渡辺「 うんうん、だから？ 」
「 わたしの、嫉妬なの、これは 」
渡辺「 ん、」
「 深澤くんが悪いとか、そういうのじゃなくて、」
わたしの嫉妬のせいで深澤くんに当たっちゃった、苦笑いをしながらそうやって言って涙を拭うAの身体をぎゅっと抱きしめる
「 …っ、しょうたくん、」
渡辺「 いいじゃん、嫉妬でも 」
渡辺「 ていうかふっかが悪いことしてることは事実だし、」
「 でも、」
渡辺「 お前は悪くねーよ、俺が言ってんだから自信もてって 」
「 ……深澤くんに想われる人になりたかった、しょうたくん 」
渡辺「 まだなれるかもしれねーじゃん 」
ふっかじゃなくて俺にしろ、なんて今のAのふっかへの気持ちを聞いたら言えるわけなくて、背中をぽんぽんと優しく叩くことしかできないけど
渡辺「 お前は頑張ってるよ 」
それだけは伝えさせてよ
¨
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3457人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
knn0522(プロフ) - 初めまして！！コメント失礼します、ここまで一気読みさせて貰いました…続きめっちゃ気になります(р_т更新待っています♥️ (12月11日 0時) (
レス) @page21 id: 99ff5c5b2a (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃ(プロフ) - 更新ありがとうございます泣まってました！！ (10月3日 1時) (レス) @page21 id: 062eb61dbc (このIDを非表示/違反報告)
びびちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！！さいっっこうです！！続きずっと待ってます、本当にありがとうございます😭😭 (10月2日 22時) (レス) id: 0130c4dc12 (このIDを非表示/違反報告)
美香(プロフ) - 更新ありがとうございます😭めちゃくちゃ嬉しいです💜 (10月2日 21時) (レス) @page21 id: 4a76b60209 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - もう更新されませんかね😭😭楽しみにしているのでお時間のある際に続きお待ちしてます💜 (8月12日 13時) (レス) id: 006fdeb6a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きゅん
| 作成日時：2021年3月6日 0時
