" The Greatest " second

ななじゅーさん ページ25

電話が鳴って、誰からだろうと思えば浅村さんからで


あれ、試合じゃあ…？

試合の始まる2時間前とはいえ電話なんて何かあったのかな…


「浅村さん…どうしたんですか…？」



《ごめん、あおちゃん大変なことになった》



「え？」



《写真送ったんだけど…》



電話をしながらLINEを開けばたしかに浅村さんから写真が送られてきていて



「なにこれ…」



《ごめん》



目だけ隠してあっても見る人が見れば私だってわかる

浅村さんと私には本当になにもないけど…




「浅村さんが謝ることじゃないです」



全部、私が悪い



《俺明日友哉に話すわ》



「大丈夫です…自分で話します」



発売は明日、今日話さないと…


何から話せばいいんだろう…………元々今日は森くんと会う予定だったんだ


予定入れてないかな…会えるかな……



そう思って森くんにLINEをしても既読がつかなくて



どうして、



この日森くんから返事がくることはなかった







どうやって説明しようと考えて寝付いたのはほとんど朝で、今日はバイトしかないからアラームをかけておらず



昼頃に目覚めた



頭がうまく働いていない中ぼんやりスマホを見れば





これなに？と素っ気なく森くんから写真付でメッセージがきていた





やってしまった





ごめんなさい。ちゃんと話すから会える？



昨日はつかなかった既読が一瞬でついて今から行くと一言送られた




言い訳まがいなことはしないで、全部しっかり嘘なしで話そう…

森くんはやっぱり自分に相談してくれなかったことに怒っているのかな…
それとも浅村さんと一緒にいたことに怒っているのかな



一昨日から右往左往しすぎてもう、パンクしそう



はあ…………






森くんにはいつでも会いたいけど今ばかりは、来て欲しくなくてたまらない




そんな私の想いも虚しく、ガチャと鍵が回る音が聞こえた




少し重い体を浮かせて玄関に向かう




森くん、ごめんね、たくさん謝るからどうか許して





扉が開いて、何だか久々に見る森くん


ギプスもしてない、左手で開けていたしもう大分回復してるんだ


瞬時にそんなことが頭に浮かんだが、今はそれどころではない






「…上がって」




「そんな時間ないから」




「そ、っか、ごめん…」



だめだ、ちゃんと全部包み隠さず話すって決めてたのに




森くんを目の前にすれば、何を言っても嫌われてしまう気しかしなくて、






私はようやく事の重さを知った

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