届 い て い る ん で す ね 。

観戦 ページ31

「あおと野球観戦久しぶりね〜」


実は15番ユニフォーム初着用


「そうだね」


「充実してていいわね」


「楽しいよ」


このあとは上沢さんのところには行かず明日お邪魔することになっている


試合が始まるまであと少し



早く球場でビールとか飲んでみたいなーと思いながらお茶をすする


「彼氏いるでしょー？」


「ブｯ」


「汚い〜」


確信を突いた言葉に思わず口からお茶が逃げた


「急に大人っぽくなったし、わかるもんよ」


「…結構年上」


「いいじゃない男なんて子供だから年上くらいがちょうどいいわ。お父さんくらいの歳の人はやめてよ？」


「それはないから〜」


いつか言う日がきたらお母さん驚くかな


そして試合が始まった


上沢さんあんまり調子良くなさそう…




相手はホークス…頑張れ上沢さん…!!


「あっ…」


「あれは入るね」


「ツーラン…」


初回にツーランホームラン…


悔しそうな、しんどそうな顔


やっぱり見慣れない



「上沢今シーズン割りと調子よかったのにね」


「…うん」


「あおは敗戦の女神か」


「え、ちょっとやめてよー」


「まあ援護点に期待しよ」


4回途中でノックアウト…


そのあとも流れに乗れないまま試合は終わった

　
LINE…するべきかな…


こういう時こそ励ましの言葉送る方がいいのかな

　
いやでもな…


もう切り替えてると思うし…


「あお明日は出掛けるんだっけ？」


「昼食食べてから出掛ける〜夜は遅いかも」


「はいよー」


明日は講習を朝から受けて帰って、上沢さんのお家へ


先発した翌日は軽く体を動かして明後日はオフ


上沢さんには結局LINEを送らずお家で待ってますと送った


14時半に上沢さんかはいただいた合鍵で部屋に入る


　 「 これ 」


　 「 え…？ 」


　 「 いつでも来ていいから 」


　 「 絶対落としません！ 」


ぎゅっとその鍵を握りしめていたのを覚えている


上沢さんに笑われたことも


"確かに落とされたら困るわ"ってね


早めに来てしまったものの、何をしよう…


ご飯は食べて来るだろから…




鍵穴に鍵が入る音



「 ただいま 」


「 おかえりなさい 」


パーカーにジーンズ…


何を着ても本当によく似合う


「 格好良いとこあおに見せたかったな 」


「 バッターと勝負している姿、久しぶりにドームで見れて楽しかったです。

上沢さんの格好いいところはいつも見てます。

また熱い投球見せてください 」



これが私が今言える精一杯

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