囚われの口づけ second kiss (ページ15)

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63話　希望学科ページ15

氷華side

堀セン「…あんま気を落とすなよ？」

氷華「…はい。私、扇稜でも上手くやってける自信ありますから！」

私の言葉を聞いた堀センは、ニコッと笑うと、「がんばれよ」とひとこと言って相談室を後にした

相談室に残された私は、この前書いた受験手続きの下書き用紙を見ながら呟く

氷華「…まぁ、私にもあるんだけどね」

“Aに言ってないこと”

～～～～～～～～

貴女side

貴「…あ、氷華、おかえり。堀センに呼ばれてたんだって？なんか言われたの？」

氷華「んー、進路のこと。この時期になったら先生ってみんなうるさくなるね」

頭をポリポリかきながらため息混じりに愚痴をいう氷華

氷華は私と同じ公立の扇稜高校志望だ

…そんな教育相談するようなことあんの？

貴「そーいえば！一番大切なこと忘れてた！」

氷華「ん？」

貴「氷華、扇稜の何科志望してる！？」

扇稜高校には、普通科と電子機械科がある

学科が分かれたら、同じ高校に通えど会える頻度は少なくなる！

登下校と昼休みくらいしか顔を合わせることができない

氷華「あ、私は…」

貴「まって！『せーの』で言おう」

氷華「え、だる」

貴「いーから！…いくよ？…せーの！」

貴「普通科！」
氷華「電子機械」

……

………

貴「えぇー！！？分かれちゃった！？」

氷華「ありゃりゃ」

ええ、氷華と分かれちゃったら、私、、、

高校ライフぼっち確定！？

そんなのやだよ…！！うへぇ！神様ぁ！

貴「わ、私堀センのとこいって第一希望学科変えてくる！！」

氷華「や、もう無理でしょ」

今にも走り出しそうな私の肩を掴んで静止した氷華が冷静につっこむ

うっわ最悪

こんなことになるなら学科もちゃんと聞いておくんだった

氷華「それに、誰かと同じにしたいからって自分の進路変えちゃダメだよ。あんたの人生なんだから」

貴「うっ、そりゃそうだけど…」

でも、氷華に会えなくなるのは、寂しい…

少し涙目になってきたとき、

氷華が「はぁ…」とため息をついて、地面にへたりこんでる私と目線を合わせて言ってきた

氷華「ちゃんとあんたの教室行くから」

貴「ほんと！？ゆったね！？絶対だからね！？」

氷華「その前に、受験合格しないとでしょ。A判定もらったからって、油断しちゃダメだからね」

貴「うん、うん！！一緒に合格しようね！」

氷華、大好き！