準1級なんて称号を与えられたけどやっぱ呪術師は怖いです。２【呪術廻戦】 (ページ38)

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夜明けのいばら道⑫ ページ38

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意識が覚醒する前にどれだけの言葉を信じさせられたかは分からないが、状況はどんどん悪くなっていく。

｢大丈夫だよ釘崎ちゃん、蕨美ちゃん。
君らは俺の言葉を素直に聞いた方がいいんだ。そうすれば何も危害は加えない｣

｢人を縛っといてどの口のセリフだよ｣

｢マジマジ。信じてよ。つーかもう信じてるでしょ？君らはもう、俺を信じてる｣

鶴瓶の言葉が、まるで麻薬のように2人の意識を侵していく。そうすればするほど正常な判断ができなくなって、彼の言うがままになってしまう。

｢安心しなよ。別に命を取ろうってんじゃねーの。
ただね、君たちの通う呪術高専についてちょーっと教えて欲しいことがあるんだ｣

｢……なんで私たちが高専生徒だって分かったのよ｣

｢あー、俺らにもネットワークってのがあんのよ。
今年は3人1年が入ったとか、3級のちょろそうなド新人だとか、そのツラだとか。そのくらいは知れるさ。俺らはその情報を買って、雑魚そうなルーキー呪術師から更に高専の情報を聞き出していっそう稼ぐ｣

ビジネスってやつさ、と鶴瓶は笑う。
初めは人当たりの良さそうだったその笑顔が今では恐怖の対象でしかなくて、Aは目から大粒の涙をぼろぼろ零しながら小さな体を震わせるだけ。
高専には、知られてはいけない情報が山ほどある。
それをぶちまけ、何も考えることができなくなってしまう前に片付けないと。そう分かっているのに、身体は動いてはくれない。

と、その時

─────カンッ

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