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続いて一回裏。
バット片手にホームベースに上がったのは野薔薇だ。
「東北のマー君とは私のことよ」
「東北のマー君はマー君だろ」
「おっかか!」
「マー君投手だぞ」
「まあくん……?」
「………」
自信満々にバットを構えた野薔薇だが、ベンチから聞こえた虎杖、棘、伏黒、Aの声にガクッと肩を落とす。そしてそんな彼女は、ピッチャーの姿を見て今度は激昂した。
「ちょっっと待て!」
ピッチャーはメカ丸…………だったのだが、
「どう見てもピッチングマシーンだろーが!」
「釘崎がキレた!乱闘だぁ!」
団体戦でパンダにボコボコに壊されたせいでメカ丸は参加できず、そこにあったのは明らかにピッチングマシンだった。真依はスペアメカ丸だと言うけれど、正直言うと狡い。だいぶ狡い。
「あ、出塁した」
「ありゃもうヤケクソやな」
やってやるよオラァァア!とメカ丸(ピッチングマシーン)から放たれたボールを打ち、ダッシュする。何やかんや言うけど楽しんでるんだなあと、Aは何処かほんやかした気分になった。
続いて外野手伏黒の送りバンド、パンダが振るったバットは見事ボールに命中し、4番ピッチャーの真希は誰も届かないくらいの上空へと、盛大にボールを打ち上げた。
「よし、3点」
バットを投げ捨てて堂々とベースを踏む真希。
………………だったが、ほうきにのってふわりと空へ舞い上がった西宮によってボールはキャッチされてしまった。あれは流石にズルすぎると、ベンチからは批判が殺到する。
「うわぁあ、せっこ!」
「卑怯や!ルール違反や!降りてこいゴラァ!」
「おかか!」
「釘崎、戻れー」
京都側は人数が少ないため、外野手のひとりは呪術の使用が認められている。それをあんな風に使ってくるとは。ドヤ顔でブイサインをしてみせる西宮を見た感想として、「本気でしばいたろか思た」とAは語っている。
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月26日 12時