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「最近ここいらで物騒なのがウロついてるじゃねえか、噂の特服とかよ。伍代の野郎も1年のクセにやりやがるし、なんかめんどいんだよな」
ぽりぽりと頭を掻くその仕草に、もしかしたら本当に喧嘩とかはあんまりしないタイプの人なのかも、と思う。確かに不良高校でもみんながみんな喧嘩好きの暴徒とは限らないだろうし、伍代くんみたいな根は優しい人が、他にいてもおかしくない。
そう思うと目の前のバンドマンさんも悪いようには見えなくて、「だってこえーじゃん喧嘩とか」と肩を竦めた笑顔に、少しだけ警戒が緩んだ。
「それに比べAちゃんは偉ぇな、毎日ガッコ行ってんだ」
「……っ、」
「まぁあの伍代が用心棒についてくれてりゃ怖いもんナシだわな」
「！！」
伍代くんを呼び捨てにしたり、やけに物事を俯瞰したような物言いだったり。バンドマンさんは先輩なのかな。
生憎だけど、同級生ですらまともに顔と名前知らないのに先輩とか誰も分かんないんですよ。聞いたことがあるとするなら、2年の頭の最上さんと3年の頭の陣内さん。ふたりともヤバいから関わるなって伍代くんに言われたのを思い出す。
って言っても、最上さんは難破くんがボコボコにして伍代くんが実質的に1、2年生の頭になったようなもんだから。とりあえず警戒しとけばいいのは陣内さんか。伍代くんは見かけたら教えてくれるって言ってたけど、どんな顔してるんだろうね。
「ぁ……わたし、家そこなんで…」
そうこうしているうちに家の前まで辿り着いていた。恐る恐る声をかけると、バンドマンさんはわたしを止めることもなく、持っていたエコバッグを差し出してきた。
「じゃあこれ。気つけてな」
「ありがとうございました……」
わたしの
ふりふりと手を振って帰っていく後ろ姿に頭を下げて、あの人は一体何だったんだろう、と首を傾げた。
……あ、そういや名前なんていうんだろ。
伍代くんのこと知ってるみたいだし、今度聞いてみよ。
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はるちよ - とても面白くて毎日読み返しています！リクエスト良いですか？！今の五代くんの話が終わったら寂しくなってしまうので、もしまめこさん さえよえれば、五代くんの話を他にも書いて欲しいです。 (11月10日 18時) (
レス) id: b6e7a94813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月3日 12時
