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そっぽを向かれ、差し出した手を無視された時は確かにショックだった。だけどふと思うことがある。色々あったけど、わたしがこの高校生活を楽しいと思えるのも、桃花がずっと憧れていた女子校に入れたのも、桃花がわたしと距離を置いたからだと思う。
あの時ふたりで醜く傷の舐め合いを続けていたら、まとめて地獄に落ちただろうから。
「ありがとう……本当に、ありがとうA……っ！」
「！」
その時確かに、泣きながら笑った桃花。引き攣って翳った笑顔じゃない。わたしが好きな、桃花の笑顔だ。……まぁ、涙でちょっと台無しだけど。
「ちゃんと話せたらスッキリしたよ……ありがとうね、A」
「もういいってば。わたしは前みたいにまた仲良くしてくれたらそれで満足から」
「……もちろんだよ！」
「わ」
学校は離れたし、桃花は横浜に住んでいる。そう簡単には会えないだろうけど。あの時みたいにはしゃげたら、それ以上に嬉しいことはない。
わたしが言うと、涙を拭って目をキラキラさせた桃花が身を乗り出して頷いた。懐かしいその勢いに、卒倒しそうになった。こう見たら桃花ちゃんバリバリ陽キャで眩しいす。
「でも…凄いなぁAは。困ってる友達を身を呈してまで助けちゃうんだもん」
「大袈裟だよ。桃花だから助けたの」
桃花がわたしを見つけてくれたから。桃花を大好きになったから、迷わず桃花を守る選択ができた。
桃花が楽しそうに笑うと、つられてわたしの頬も緩んだ。可愛くて元気な桃花が戻ってきたようで、懐かしさで胸がいっぱいになった。
「ふふっ。謙虚だし、美人だし、彼氏はかっこいいし」
「え？」
にこにこ笑った桃花の爆弾発言。おかげでほっこりしていた空気は吹き飛んで、わたしが目を見張ると、鏡写しのように桃花も目を見開いて「え？」と首を傾げた。
「さっきの男の人……あの、茶髪で黒い服着た人」
「伍代くんは違うよ。付き合ってない」
「そうなの？じゃあAあの人の何？！」
「えッなんだろう……束縛緩めの下僕？」
「大丈夫？！」
やっぱりいじめられてるんじゃないの？と今度はわたしが肩を鷲掴みにされる。
そう言われてみれば、伍代くんがなんでわたしと居るのかわかんないな。確かナンパされかけた所を助けてもらって、それから……、あれ？
桃花にガシガシ身体を揺すられながら、わたしは小さく首を傾げた。
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はるちよ - とても面白くて毎日読み返しています！リクエスト良いですか？！今の五代くんの話が終わったら寂しくなってしまうので、もしまめこさん さえよえれば、五代くんの話を他にも書いて欲しいです。 (11月10日 18時) (
レス) id: b6e7a94813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月3日 12時
