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「随分雰囲気変わったね、A」
「うん、まあ……」
桃花が目をまるくさせるので、何だか照れくさくて目を逸らす。
真っ黒だった髪は金色に染めて、目が悪くてずっと眼鏡だったのをコンタクトにして、スカートも膝より上で切った。こう見るとめちゃくちゃ大胆にイメチェンしたよなぁわたし。
ちなみに桃花がなんでわたしのこと判断できたかって言うと、昨日スーパーで、『姉崎』って刺繍された中学のジャージにメガネ姿のわたしを見かけて気づいたんだって。
「金髪だったからもしかしたら違うかもって思ったけど、やっぱりAだったんだね。こういうのも似合ってる」
「へへ……ありがとう」
中学時代はトウコさんとアカリさんたちにこき使われて、まともな学生生活を送れなかった。陽キャには見下され、大人しい子たちには距離を取られた。関わりはなくとも、必然的に全校生徒がわたしを見て見ぬふりしたも同然だった。だから友達も“ほとんど”いなかった。
……そう、“ほとんど”。
悪女ふたりに目をつけられるまでは、目立たず大人しい、でも確かに充実した平穏な毎日を過ごしていた。その中でいつも一緒の女の子がいて、それがこの、飯田桃花。わたしの腐った中学時代において唯一友達と呼べる存在だ。
「じゃあ今は横浜いるんだ」
「うん……この辺からじゃ学校ちょっと遠くて。従姉妹が横浜に住んでるから、お世話になってるの」
公園のベンチに並んで座って、久しぶりの会話に花を咲かせる。
どうやら桃花はもう千葉にはいないらしく、今日は実家に用事があったから一時的に里帰りして、そこから親に送って貰って神奈川の学校に通ってるんだって。
桃花が通う神奈川の女子校は、高級そうな制服を見てわかる通りのお嬢様高校。故に偏差値もめちゃくちゃ高い。それでも入学する価値はあるからって、1年生の頃からその学校を目指して勉強してたのを思い出した。
「偉いなぁ桃花は。頑張って勉強して知らない街まで出てさ」
「…………そんなことないよ」
「……？」
その瞬間、桃花の顔がずんと暗くなった。
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はるちよ - とても面白くて毎日読み返しています！リクエスト良いですか？！今の五代くんの話が終わったら寂しくなってしまうので、もしまめこさん さえよえれば、五代くんの話を他にも書いて欲しいです。 (11月10日 18時) (
レス) id: b6e7a94813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月3日 12時
