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「んー……」
それから開けた場所に出てきたA達。
東堂のことは虎杖に任せて呪霊狩りを続けることが目的なのだが、そこには額に御札を貼り付けたAの唸り声が響いていた。
「……………………あれ?」
Aの額にくっついている御札と、バラける時に梅に貼った御札は对になっている。視覚や聴覚を共有することで、遠く離れた梅が見ている景色をAも見ることができるのだ。
「どした?」
「なんか変やでこれ」
「すじこ」
「うん。やっぱり変」
眉を顰めたAは御札をぺらりと捲りあげ、札で隠れていた目を露わにする。
「京都の人ら、みんなして虎杖くんを囲んでる」
「は?!」
御札に狂いがなければ、対立する虎杖と東堂を囲むように、京都校の面子が揃っている。それも、それぞれが武器を虎杖だけに向けているのだ。それはまるで、
「……………………これ、殺そうとしてへん?」
東堂から離れさせるための脅しなのか……否、そんなことは断じてない。皆が今にでもその攻撃を放てるような勢いで矛先を彼に向けている。
「何それ!意味わかんない!」
「ほんまに死人出んの?嫌や無理、私もう帰りたい」
「有り得ないでしょそんなの!」
「いや、充分有り得るぞ」
「こんぶ」
思い返せば、虎杖生存サプライズを終えた後、京都校からこちらへ向けられる敵意は明らかに強くなっていた。それにに何より、向こうの楽巌寺学長の命令だと考えればちっとも不自然ではない。寧ろそう考える方が自然だと言える。
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時