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「呪術師続けるなら、喧嘩売る相手は選ぶ事ね」


回転式拳銃(リボルバー)の変え弾を嵌め、真依がその銃口を野薔薇に向ける。何発も打たれたことでおろしたてのジャージの至る所に穴が開き、野薔薇は力なく地面に伏していた。


「うふふっ、これで終わりね」


もう一度引き金に指をかけ、動かない野薔薇にとどめの1発を放つ……─────が、


「臨兵闘者皆陣烈在前…………」


━━━━━━━カンッ


「!」


何処からか聞こえた声。放たれた銃弾は野薔薇に当たることはなく、何かに弾かれたように地面に転がり落ちた。


「鉄砲なんか人に向けるもんちゃうで、真依」

「うちのパシリに何してんだよ」


きゅ、と手で印を結ぶAと、呪具で拳銃の先を逸らす真希。真依は少し嫌そうな顔をした。


「あら、落ちこぼれすぎて気づかなかったわ」

「落ちこぼれはお互い様だろ?お前だって物に呪力を込めるばっかりで術式もクソもねえじゃねえか」

「呪力がないよりマシよ。それに、術式を使えないのはそっちのおチビちゃんも同じじゃない」

「っ…………!」


窘めるような目でAを見下ろすと、真依はふふんとその高い鼻を鳴らした。


「上ばかり見てると首が痛くなるから、たまにはこうして下を見ないとね」

「あーあ、やめやめ。底辺どうしでみっともねえ。………野薔薇、立てるか?」

「無理よ。暫く起きないわ。それなりに痛めつけた────ッ」


直後、真依の顔面目掛けておしるこの缶が飛んだ。
Aが、野薔薇が彼女の為にと持っていたものを拾って投げたのだ。









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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時

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