episode #62 ページ14
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どろりと血のついたナイフをAに向けてにこやかに笑う男……唾切と、その傍らに佇む女、
見たところ、実力も強さもAたちより遥かに上。
その上こちらには負傷者が2人。最悪な状況をどうやって打破するかを考えるも答えは浮かばず、とりあえず自身の腕を切りつけようとカッターを構えたが、その手を京夜が掴んで止めた。
｢Aちゃん、皇后崎くん。隊員や四季くんに唾切が来たと伝えてくれない？患者含め全員が逃げるように先導してちょうだいな｣
｢…………京夜くんは？｣
｢まぁ何とかなるっしょ｣
俯いたまま、つとめて明るく振る舞う京夜が必死で痛みに耐えているのはひと目で分かる。
顔を見合せたAと迅は頷き合うと、｢応援も呼んでくる｣と残し、たんっと地面を蹴って皆の元へと戻った。
｢蓬くーん｣
｢うっす｣
優しいなぁ、と思いながら敵を見据える京夜の前で、呼び掛けに応じて蓬が地面に手をついた。
彼女の手からじわじわと溢れた黒い粒子…細菌は、床や壁を這っていく。そうすることで真っ黒い部屋に覆われ、京夜はムッと眉を顰めた。
(何だこれは、細菌で壁を作ってる？アイツらも内側にいる…ってことは………………)
ここからじゃ黒い部屋の広さは掴みかねないが、きっとこの壁は外にも広がっているのだろう。この地下には患者や隊員だけでなく、羅刹学園の生徒に芽衣もいる。そんな鬼たちが一気に逃げ場を失ってしまった、というわけだ。
｢………………清水寺地下はほぼ囲ったっす。文字通り“袋の鼠”っすね｣
｢……本当、美女って手強いよね…………｣
冷や汗をかきながら腰に手を当てた京夜は、そう言って口角を引き上げた。
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レン(プロフ) - 桃源暗記の夢小説少ないんでめちゃくちゃ嬉しいです！しかもお話も面白くてもう神かなんかですか?!これからも無理せず更新頑張ってください!応援してます！ (2022年1月4日 22時) (
レス) id: 9afc0ca98b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 思わず一気読みしてしまいました！とっても面白いです、更新も無理ない程度に頑張って下さい！ (2022年1月3日 0時) (レス) id: 16a4fd6cb5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 久々に更新嬉しい！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bb356cf189 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヒロアカでまめこさんに出会いまして、桃源暗鬼も書いてる！ってなって来ました！これからも引き続き更新頑張って下さい！ (2021年9月12日 11時) (レス) id: 1c4434e42e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - もうほんと最高です (2021年8月20日 22時) (レス) id: 75eebcd608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月31日 19時
