7人兄弟の事情 (ページ4)

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小さい頃から度々母に心配をかけてばかりで“俊哉は誰にでも優しすぎるから心配だわ。周りに流されず自分の意見も大事にしなさい。”なんてしょっちゅう言われていたっけ。母さんごめん、いまだにその約束守れてません。だってしょうがないじゃん生まれつきの性格なんだもん。そんなすぐに変われないって。

ともあれそんな性格もあって幼少期から今まで一度も反抗期を迎える事なく高一になった俺だけど、意気込んでいた高校デビューなんて俺には程遠かった…気の合う友達は数人居るものの彼女はゼロ。まさに非リアまっしぐらなう。

「としやーー、放課後カラオケ行こ！！」

隣のクラスの友達の一人が廊下から校舎中響き渡るんじゃないかってくらい馬鹿デカい声で誘ってきた。予定もないし乗ろうと思ったがふと気付く。やっべ財布ん中300円しかねえ…
ミツから貰ったお小遣いの一万、ついこの間今季限定のフィギュアに注ぎ込んだんだった。

「ごめん、パスで。ほんとごめん！今度絶対行こ！！」

せっかく誘ってくれたのに申し訳ないと頭を下げればちょっと落ち込んでたけど”また行ける日あったら教えて“と言って帰っていった。今度とは言ったもののいつになるのやら。俺も太にぃみたいにバイトするべきかなー。

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