検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:14,869 hit

第十話 M side ページ10

.





翌日指定された時間に店に出向くと個室に通され、そこには既にニカの姿があった。


『宮っち久しぶり!2年ぶりだね、相変わらずかっこいい。元気してた?』

「うん、まあ。ニカも元気そうで何よりだよ。」


2年ぶりでもニカが相手なら会話も弾む。
しばらくあれやこれやと世間話をしたのち、頼んだ料理が運ばれると、熱々に煮えたぎった麻婆豆腐を胃の中に流し込んだ。


『そろそろ本題に入りたいんだけどいい?』

「もちろん。」


ニカは生ビールを流し込むと、話を切り出した。


『俺の友達に藤ヶ谷ってヤツがいるんだけど家めっちゃ金持ちでさ、屋敷?みたいなとこに住んでるんだよね。それでその家で雇われてた使用人がこぞって辞めちゃったみたいでさ。人足りてないみたいで募集してるらしいんだけど…
宮っち今働いてたりする?良かったらどうかなって思ってさ。』




俺の事を心配しての事だろうが、よりにもよって見ず知らずの家の使用人になるなんて御免だ。それに誰かにこき使われるなんて俺の性には合わない。




「…ごめん。俺はいいや。話持ってきてくれたのは嬉しいけど、遠慮しとく。」


『えー、まじかぁ…』


眉を下げがっくりと肩を落とすニカ。

ニカが俺にどんなイメージを抱いていたのかは知らないが、俺が使用人に向いてると1ミリでも思っていたのなら笑っちゃうよね。

第十一話 T side→←第九話 M side



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みやたま | 作成日時:2021年10月16日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。